メインはJJへの次期挑戦者決定戦=高阪剛が語るUFC182.5見どころ
ダンヘンに衰えは感じない
日本でもお馴染みのダン・ヘンダーソン。44歳になった今も第一線で活躍する 【(C)Photo Courtesy of UFC】
ああ、そうでしたっけ。
――じつはそうなんですよ。そんなに負けてる感じもしないんですけど(笑)。
試合内容はいいですからね。前回のコーミエ戦はしょうがないとして、その前は誰でしたっけ?
――その前は、マウリシオ・ショーグンにKO勝ちですね。
ああ、右フックで倒して、ベストファイト賞を獲ったんですよね。
――いわゆる“ヘンド・ボム”一発で大逆転のすごい勝ち方をしましたよね。そして、その前がリョート・マチダ、ビクトー・ベウフォート、ラシャド・エヴァンスに3連敗したんですけど。リョートとラシャドとは、ほぼ互角の勝負でしたからね。
そうですよね。
――そんなダンヘンも、すでに44歳。このところの戦績も含めて、衰えっていうのは感じますか?
衰えは感じないですね。そのかわり、進化もしてないと思いますけど、ダンの場合、もともと強いので、自分の形にいかに相手をハメ込めるかですよね。以前、構えをムエタイにしてみたりしたこともありましたけど、やっぱりダンは、左手を下ろして右手を挙げて、ちょっと前屈みに構える、あの形がしっくり来ると思うんですよね。
――右フックを狙ってるのが丸わかりの構え(笑)。だけど、当たってしまうという。
それ一発で倒せるから、ダンはずっと第一線にいられるし、ファンの支持もあるんだと思うんですよね。だから、今度の試合も右を当てられたら相手を倒せるだろうし、あとはクリンチアッパーだったり、差してからのテイクダウンという組む力は、まったく衰えてないので。いかにムサシをそこに呼び込むかですよね。
――また、ダンヘンはメンタル的に、ちょっと負けが続いたとしても、それで調子を落としたりとか、自分の戦い方に迷ったりしませんしね。
そうなんです。「今日の俺にはツキがなかった」っていうだけですからね(笑)。だから、今回はあの右が当たるかどうか、ダンにとってはそこですよね。
技のつなぎがうまいムサシ
高阪氏はゲガール・ムサシを「総合格闘技の技のつなぎがすごくうまい」と評価する 【(C)Photo Courtesy of UFC】
まあ、もともと覇気があるタイプじゃないんですけどね(笑)。ただまあ、言ってもムサシは強いですからね。
――もともと、潜在能力はものすごいものがあると言われてますからね。
ムサシっていうのは、総合格戦技の技のつなぎがすごくうまいんですよ。打撃をやっていると思ったら、そこからテイクダウンにいったりとか。自分で倒れ込みながら、下から極めていったりとか。相手にバレないように、自分の技を差し込むのが上手なんですよ。また、ムサシはボクシングがしっかりとできるじゃないですか。だから、パンチの打ち合いだとダンの右を当てられる危険性があるんで、打ち合わずに、しっかり前手のジャブで自分の距離を作って、右ストレートを当てる形を作れるかどうか。ムサシはいろんな技を混ぜて最終的に相手の逃げ道をなくして、KOか一本を奪うという。そういう詰め将棋の戦い方ができるので、そこにハメられるかどうかですね。
――ではこの一戦は、ダンヘンが右フックを当てるか、それとも当てられずにムサシペースに巻き込まれてしまうのか、そこがポイントとなる、と。
そこに尽きると思いますよ。
――ダンヘンの試合は、毎回そうですけどね(笑)。
ある意味、期待を裏切らないんですよ。それがうまくいかないと負けちゃうという(笑)。でも、勝つときはものすごい勝ち方をしますからね。すごい試合を期待したいですね。
(取材・文:堀江ガンツ/WOWOW UFC解説者)
◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆
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1月25日(日)午前10:00〜[WOWOWメンバーズオンデマンド]※先行ライブ配信
1月25日(日)深夜0:30〜[WOWOWプライム]
<主な対戦カード>
<ライトヘビー級>
アレクサンダー・グスタフソン
アンソニー・ジョンソン
<ミドル級>
ダン・ヘンダーソン
ゲガール・ムサシ
★生中継!UFC−究極格戦技− UFC183 骨折から1年!アンデウソン・シウバ、復活
衝撃の骨折による敗戦からおよそ13カ月。奇跡の復活を狙うアンデウソン・シウバがいよいよ登場!相手はUFCの問題児、ニック・ディアス。世紀の一戦をお見逃しなく!ゲスト解説には宇野薫。
2月1日(日)午後0:00〜[WOWOWライブ]※生中継
<主な対戦カード>
<ミドル級>
アンデウソン・シウバ
ニック・ディアス
<ウェルター級>
タイロン・ウッドリー
ケルヴィン・ガステラム
<女子バンタム級>
ミーシャ・テイト
サラ・マクマン