棚橋が故ブラックキャットさんに捧げる勝利 ルチャ版レジェンド対決に聖地が熱狂

高木裕美

甥っ子スティグマとともに故ブラックキャットさんに勝利を捧げた棚橋組 【前島康人】

 新日本プロレスとメキシコCMLLの合同興行となるルチャの祭典「NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2015」東京・後楽園ホール2連戦初日の18日は、超満員札止めとなる1950人を動員した。

 セミファイナルでは、「ブラックキャットメモリアルマッチ」として、棚橋弘至&ミスティコ&スティグマ組vs.中邑真輔&オカダ・カズチカ&ポルボラ組が対戦。メキシコと日本の架橋となり、06年1月に亡くなったブラックキャットさんに、日本のIWGPヘビー級王者と、メキシコのスペル・エストレージャと、キャットさんの甥っ子が勝利を捧げた。

キャットさんの甥っ子スティグマに大声援

日本初登場となるスティグマはおじブラックキャットさんとのハーフマスクで奮闘 【前島康人】

 棚橋は例年通りに顔にペイントを施し、中邑も赤いオーバーマスクを装着して入場。チームワークで勝るCHAOSは、中邑とオカダの合体アトミックドロップからポルボラのドロップキックにつなげる連係を見せると、その後も3人同時のヴァイブレーションを炸裂。だが、スティグマが場外の中邑にトルニージョ、棚橋もオカダにトペスイシーダを決める間に、ミスティコがラ・ミスティカでフィニッシュを決めた。

 棚橋は「 育ててもらった恩義があるから、彼の成長をエストレージャになるまで見てます」と、キャットさんの甥っ子の後見人となると宣言。キャットさんとのハーフマスクで登場したスティグマも「日本のトップ選手たちと試合ができたことに感動している。これからの成長を見守っていてください」とさらなる活躍を訴えた。また、日本の日の丸をイメージしたコスチュームで登場したミスティコは「今日は自分の強さの幅を見せました」と納得の表情を見せ、翌日のポルボラ戦での勝利を誓った。

ゲレーロがアトランティスにリベンジ

アトランティスvs.ゲレーロのルチャ版レジェンド対決に聖地熱狂 【前島康人】

 メインイベントでは、アトランティスvs.ウルティモ・ゲレーロのルチャ版“レジェンド対決”が実現。昨年9月にメキシコで開催されたCMLL最大のビッグマッチ「アニベルサリオ81」で互いのマスクをかけて戦い、敗れて素顔をさらしたゲレーロが、日本でリベンジを果たした。

 両者は前日のタッグトーナメント決勝戦でも対戦し、アトランティスがラ・アトランティーダでゲレーロに快勝。この日もゲレーロはアトランティスにマスクを脱ぐように要求され、屈辱を味わわされながら素顔になる。
 キャリア30年、50歳を越えたアトランティスは、ケブラドーラコンヒーロ、場外へのボディーアタックなど、テクニックを駆使して襲い掛かるが、ゲレーロもフェンス越えのキックや雪崩式パワーボムなどの豪快な技で応えると、ラ・アトランティーダを切り返し、ゲレーロ・スペシャルで勝利。リング上から「今日はどうもありがとう。また今度よろしくお願いします」と日本語で喜びを伝えると、バックステージでも「日本でチャンスを与えてもらえたことに感謝している。メキシコでもすごい英雄で、勝つことは容易ではないのだけれど、勝てて嬉しい」と訴えた。

バレットクラブ入りした王者メフィストが防衛

バレットクラブ入りした王者メフィストがストゥーカJrを退け防衛に成功 【前島康人】

 ナショナルライトヘビー級選手権試合では、バレットクラブ入りした王者メフィストが、必殺のデビル・ウィングスでストゥーカJrを退け防衛に成功。強力な新メンバーを獲得し、得意げに笑う裕二郎と共に、「地獄の使者メフィストがナンバーワンだ!」と勝ち誇った。
 NWA世界ヒストリックウェルター級選手権試合では、王者ボラドールJr.が、若き新鋭グラン・ゲレーロに苦戦を強いられながらも、スパニッシュフライで仕留めて王座を死守。「誰にも負けないという意味では、素晴らしルチャドールだということを見せられたと思う」と胸を張った。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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