愛媛FCの粉飾決算にJリーグ側が見解 第三者委員会を設置、さらなる原因追及へ

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規約の23条に反している

Jリーグ規約に反していることから、愛媛には何らかの制裁が課される見込みだ 【写真:アフロスポーツ】

――Jリーグからの制裁もあるということだが、このケースはどの条項に該当すると考えているのか?

 どの条項に反しているかも含めて裁定委員会のほうにも諮問しますが、いま我々のほうで考えているのは、Jリーグ規約の23条です。そこに「Jクラブの健全経営」という項目があります。23条の3項に「Jクラブは書類に虚偽の記載をしてはならない」ということが定められており、それに対する制裁処分も定められている。そこがベースになるのかなと思います。

――ライセンス制度の基準でガバナンスの問題もあったと思うが、それには引っ掛からないという認識か?

 人事組織基準というのがありまして、財務担当者を置きなさいといったものがあります。ただ、『人(を置く)』としての要件はそろっていて、そこには引っ掛かってこないんです。ただ少し話を広げますと、クラブライセンス制度においては監査法人、または公認会計士の適正な意見表明というのがまず前提になっています。税理士さんと公認会計士の業務は似たような世界にあるのですが、税理士さんの仕事というのは決算をして、確定申告をする業務です。よく税理士さんが確定申告をしましたが、税金の支払い漏れがありましたなんてケースは税務調査が入ってやっていますよね。その話とは違って、今回の話は公認会計士とか監査法人の話ですから、クラブの決算における貸借対照表であるとか損益計算書が十分に安全性が担保された決算になっているかを監査で証明することになります。

 たとえばJ3のクラブの半分くらいがそうなのですが、いわゆる独立した監査法人や公認会計士を入れていないクラブがあります。ただし、J1・J2のライセンスでは監査法人・公認会計士の方が適正なバランスシートであるという監査証明を出してもらうことになっています。ある意味、日本で唯一の適正意見を出せる人たちが監査したものをもって赤字であるとか黒字であるとか、債務超過であるとかをFIB(クラブライセンス交付第一審機関)が判断するシステムになっています。そこの、愛媛側の公認会計士の監査の中で、たとえば収入の水増し等について見落としがあったのは事実だと私は思っています。従って、有資格者で唯一の法人・個人がやっているものを前提として、これはJリーグの審査だけじゃなくて株式の投資家保護を含めて日本のシステムとしてそうなっていますから、そこのところは正しいという前提に立たないと、日本のいろいろな会計システムが成り立たなくなってしまうわけです。これがライセンスのガバナンスに抵触しているということにはならないです。

債務超過の心配はまったくない

――発生原因のところだが、これはクラブライセンスを剥奪されないための意図的な会計操作という見立てなのか。あるいは会計担当の人個人の能力や体調の問題であったのか。今の段階での見立てをお聞きしたい。もう1つ、裁定委員会に諮問されて制裁が科せられる流れになると思うが、いつくらいまでに制裁を出すことになるのか?

 発生原因の所はクラブの内部調査と外部協力者の調査と申し上げましたが、愛媛FCの会見を聞いておりますと、基本的には事務が遅延して、一方で県や市に対して「ほぼほぼ収支はトントンでしょう」というふうに担当者が報告し、それをチェックもあまりせずに、経営陣が発表してしまった。その発表に所与になってしまったものだから、こういう決算操作をしたと今のところは見ています。ただ、これも第三者に見てもらわないといけない。中の調査で「そういうことでした」と言いましても、「本当は会社ぐるみだったのではないか?」ということも含めて、第三者から見てほしいと言っております。

――今の段階では、クラブライセンスに対してということではない?

 そう聞いております。現に平成24年度が赤字だったとしても、1年だけならライセンスが交付されないということはないですから、もしあったとしても限定的だったと思います。それから裁定委員会のほうですが、これから第三者委員会を組成します。県と伊予銀行も全面的に協力しようということなので、これからメンバーが選ばれていろいろな調査が行われることになると思います。マックスで1カ月以内には仕上げてほしいと我々としては思っています。多少のズレはあるかもしれませんが、2月の後半くらいには制裁処分がどういう形になるかを判定することになるのかなと思っています。

――愛媛FCの株主総会はいつになるのか。また最大でどのくらいの処分になる可能性があるのか?

 株主総会は2月下旬と聞いております。正確な日程は存じ上げません。規約で言いますと、23条の3項違反というのは、まず制裁というのは譴(けん)責とか制裁金、中立地の試合などといろいろな項目があります。かつ制裁が2つ併科されるようなこともあります。制裁金に関しては150条以下に制裁金の上限が記されているのですが、もしも153条に該当するという前提に立ちますと、「1000万円以下の制裁金」となっています。それをメインに考えるのか、それ以外の種類の制裁を併科するのかを、まさしくこれからの調査を踏まえた上で裁定委員会に諮問していくことになると思います。

――修正した決算によって合計で9千万円の赤字が新たに生じますが、これによって愛媛FCが債務超過に陥る可能性はないのでしょうか?

 結論としては、ございません。愛媛は2億円の資本金があって、純資産は1億8千万円以上あります。債務超過の心配はまったくないと思います。

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