“超人”神野「夢なんじゃないか」 箱根駅伝往路、青学大監督・選手コメント

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往路で初優勝した青山学院大の5区・神野 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 第91回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の往路が2日、東京・大手町の読売新聞社前から箱根・芦ノ湖までの5区間、107.5キロで行われ、青山学院大が5時間23分58秒で初の往路優勝を果たした。 2位は明治大で5時間28分57秒、3位には東洋大が5時間30分47秒で入った。

 戦前に「“3代目・山の神”を目指す」と語っていた164センチ・43キロの小柄なエースが、有言実行の走りでチーム初の往路優勝をたぐり寄せた。
 青山学院大は1区で故障明けの久保田和真(3年)がトップの駒澤大・中村匠吾(4年)からわずか1秒遅れの2位と好位置につけると、2区の一色恭志(2年)もトップから2秒差の3位と好走。3区の渡邉利典で一度は首位を独走する駒澤大に49秒差をつけられるも、4区のルーキー・田村和希(青山学院大)が区間新の快走、46秒差の2位で最終5区へ。

 山上りを任されたエース・神野大地(3年)は序盤から飛ばす。10.4キロ付近でトップを走っていた駒澤大・馬場翔大を一気に抜き去ると、軽快に山道を駆け上がり、後続との差をみるみる広げた。神野は5区を、参考記録となった“新・山の神”柏原竜二(東洋大、現・富士通)のタイムを上回る1時間16分15秒で走り切った。

 以下、青山学院大の監督・選手のコメント。

原晋監督「ここまでやってくれるとは」

学院140周年の記念にふさわしい記録となりました。強化1期生の子たちには本当に苦労をかけたんですね。こういう成果に出て大変うれしく思います。1区の久保田が勢いのある走りをしてくれましたので、その後の一色、渡邉、そして1年生の田村ですね、そして5区の超人・神野大地でしたね。本当に素晴らしい走りでした。(神野の起用は)夏合宿から山の適性を見ていましたので。頑張り屋なんですね。苦しい時でもしっかり走ってくれる子なので、彼ならやってくれると思って11月に起用を考えていました。ここまでやってくれるとは思ってもみませんでした。(総合優勝に向けて)差が5分なんですけれど、守りに入らずに山下りから攻めていきたいと思います。上りの時に雪がまだ残っていたようなので、山下りでこけないように万全を期して臨みたいと思います。

久保田和真(1区)「神野ならやってくれると信じていた」

神野ならやってくれると信じていて待っていたので、本当に笑顔で迎えました。割と緊張もなくていつも通りに向かいました。やはり攻める気持ちを忘れてしまったら後がいい流れがつくれないので、そこは忘れないようにしました。まだ区間賞というところに届いてないので、また次を頑張りたいと思います。

一色恭志(2区)「自分の役割は果たせた」

最初、速いペースで突っ込まずに抑えて抑えて我慢して、自分のペースでいくということを徹底したら最後に追いつけたということで、すごく自分の中では納得のいくレースができたと思います。自分はまだエースというか、神野さんとか強い人たちがいるのでそんな存在ではないのですが、最低限、自分の役割は果たせたと思います。まだ復路が残っているので今回は今回で置いておいて、明日は徹底的にサポートに回ろうと思います。

渡邉利典(3区)「いつも通りに走った」

1位のところとどれだけ離されないかが僕の課題だったんですけど、2分差までなら神野がどうにかしてくれるということで、安心して走ってました。(初めての箱根駅伝で落ち着いた走りだったが)自分はそれ持ち味だと思っているので、マイペースでいつも通りに走りました。(レース後に)親や大事な人にはもう一通り電話をかけて、「ありがとうございました」ということを伝えました。

神野大地(5区)「5区を走って良かった」

1区から4区の人が自分のところまでいい流れで持ってきてくれたので、あとは自分がやるだけと思って、1年間箱根駅伝のためにやってきたのでその力を全部出そうと思って走りました。本当に往路優勝のテープを切る想像をずっとしてきたので、今現実になって本当に夢なんじゃないかと思うくらいうれしいです。(最初から速いペースで入ったが、これはプラン通り?)いや、予定ではゆっくり入って山に入ってから勝負と思っていたのですが、思ったよりも体が動いていて調子も良くて、そのままの流れのままに任せていったという感じでうまく走れました。本当にここまで自分が走れると思っていなかったので、5区を走って良かったです。
(復路のメンバーへメッセージを)往路優勝できれば総合優勝が見えてくると思っています。復路は4年生もいるので、4年生が最後にしっかり走ってくれれば、総合優勝もできると思います。明日の復路はしっかりサポートに回って、総合優勝できるように応援したいと思います。
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