小塚や無良が代表会見で町田引退に言及 「町田選手のことからまず話したい」

スポーツナビ

世界選手権代表に選出された(左から)ペアの高橋/木原組、女子の宮原、本郷、村上、男子の小塚 【坂本清】

 日本スケート連盟は28日、来年3月に開催される世界選手権(中国・上海)の日本代表選手を発表した。

 男子シングルは昨季の世界選手権覇者で、全日本選手権で3連覇を果たした羽生結弦(ANA)、3位の小塚崇彦(トヨタ自動車)が代表入り。当初は4位の町田樹(関西大)も名を連ねたが、代表発表の場で突如引退を表明し、代表を辞退。その後、町田に代わり5位の無良崇人(HIROTA)の出場が発表された。

別れを告げるように右手でリンクに触れた町田 【坂本清】

 女子シングルは同日行われた全日本選手権で初優勝した宮原知子(関西大中・高スケート部)、2位の本郷理華(愛知みずほ大瑞穂高)に加えて、同大会は5位に終わるも11月の中国杯で3位に入った村上佳菜子(中京大)が選出された。宮原、本郷は初出場となる。

 また、ペアは高橋成美、木原龍一組(木下クラブ)が選ばれた。
 以下、代表選手による会見詳細。

無良崇人「一段と心を決めて練習をしたい」

突然引退した町田に代わり、代表入りした無良崇人 【坂本清】

――全日本選手権を終えた感想と、世界選手権に向けての感想は

 全日本選手権は本当に自分としては内容も結果も、悔しい部分で終わってしまったところが大きいんですけど、今回こういう形で世界選手権の代表に繰り上がりでなることができました。
 町田樹選手は小さい頃からずっと一緒にやってきた仲間ですし、すごく良いライバルだった、自分の中でも存在が大きかった選手がこうやって突然引退ということで、びっくりというか頭の中が真っ白で何をしゃべっていいのか分からない状況なんですけど、せっかくいただいたチャンスなので、このようなふがいない試合をしないように、世界選手権に向けて一段と心を決めて練習をしたいと思っています。

――世界選手権で具体的に順位などの目標と、そのためのかぎは

 具体的には、どちらかというと自分のカナダ大会で出したパーソナルベスト(255.81点)を更新することが最終的な目標かなと思います。その中であと数ヵ月の間に、プログラムを通してもっと内容の濃い、レベルアップをさせていくような練習をしていかないといけないなということを感じているので、練習をしっかり積んで、不安のない状態で試合に臨みたいと思っています。

――五輪がかかっていない今回も選手からは緊張感が伝わってきたが、そのあたりはどう感じる?

 昨シーズンの全日本選手権はとにもかくにも五輪の選考で、やっぱり今年の緊張はもちろん全日本だからというのはあります。でも何よりも、今シーズンは調子よくスタートを切ってきたなかで、どれだけ全日本でやり切れるかという自分の期待もありました。
 すごくいい状態で試合に臨めていたにも関わらず、ああいう形になってしまったというのは、昨シーズンとの違いとして挙げるなら、今年は表彰台を狙っていけるかなというのを今シーズンはど頭から頭に置いて試合をしてきたことだと思います。

小塚崇彦「町田選手のことからまず話したい」

男子3位に入った小塚崇彦も代表に 【坂本清】

――全日本選手権を終えた感想と、世界選手権に向けての感想は

 自分のことからしゃべるべきなんでしょうけど、町田選手のことからまず話したいと思います。本当に記者会見のときから代表発表だったり、ずっと『町田語録』で僕たちを楽しませてくれて、なかなか思いつかない発想の転換だったりとかを彼は持っていた。そんな選手だったんじゃないかと思います。僕にはないし、他の選手にもない唯一無二の選手だったなと思います。

 何より最後の最後に爆弾を投下して、この競技生活を去っていく。本当に樹らしいなと思います。樹がいないとしても僕たち選手一同、チームジャパンとして責任感を持って戦っていきたいと思います。何より今回、僕自身はフリーは良かったですけど、ショートはまだまだ完璧な演技ができていなかったので、2つそろえられるような練習をして世界選手権に臨みたいと思います。

――世界選手権で具体的に順位などの目標と、そのためのかぎは

 まず目標とするところは自分の今までのベストスコア、180点というところを大きく超えるような演技をすることです。180点という点数を超えるためには、今回全日本に向けてやってきた1ヵ月半の練習、そしてショートからフリーで何が切り替わったか、自分が確認してきたことを、もっと時間をかけて確認をして、もっともっと深く追求していくことによって新しいエネルギーの核になるのではないかと思います。しっかり頭で考えて、でも頭でっかちになりすぎず体を動かして練習したいです。

――五輪がかかっていない今回も選手からは緊張感が伝わってきたが、そのあたりはどう感じる?

 僕の場合はここまで気持ちが体と一致せず来て、やっと気持ちが体と一致してきたところ、ただ試合がこなせていなかったというところの自分の中でのゆらぎというか、それが緊張につながったかなと思います。

 これは代表選手の会見で言うべきことかどうかわかりませんが、今日の女子の試合を上から見ていて、すごく緊張してるなと感じていました。女子の皆さんもパンクとかステップアウトしてしまうことも練習から多くて、スピードのこともあるし、なんだろうと思ったんですが、回転不足をとられるということに対してみんな敏感になっていたと思います。
 ただこれというのは、一個人として見ている側としてはすごく残念だと思ったので、改善してもらえるとうれしいかなと思います。

――大学院生として研究生活とフィギュアの練習との両立の難しさは?

 僕自身、先シーズンも今シーズンも休学をしています。大学院の研究というのは被験者の方と対面して話をしていろんな情報を得て、自分の時間だけでは動けないといった厳しさがあって、自分の勝手ができないという部分が出てきます。そういう意味で両立は難しいことです。ただ、研究の内容でも自分がしっかり練習できる環境を整えた上で、スケートをやる、スケートを整える上で研究をする、ということをしっかりできる人ならできるんじゃないかなと思います。
 ただ、先ほど町田選手に聞いたら、「僕は研究、学業一本に絞る」と言っていたので、その成果を楽しみに待ってたいなと思います。

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