早大・渡辺監督「平常心で臨みたい」 4年ぶりVへ、キーマンは高田ら3年生

構成:スポーツナビ

公開練習を行った早稲田大のエントリー選手16人と渡辺監督 【CSPark】

 来年1月2、3の両日に行われる第91回東京箱根間往復大学駅伝競走(以下、箱根駅伝)で4年ぶりの王座奪還を狙う早稲田大が24日、埼玉・所沢キャンパスで練習を公開した。

 主将の山本修平(4年)は、今大会では自身3度目となる山上り(5区)での起用が濃厚。前回大会をアキレスけん痛のため欠場しただけに「リベンジも含めて、最後の箱根駅伝でしっかりとした姿を見せたい」と意気込んだ。

 また、来年3月末での退任が決まっている渡辺康幸監督は、優勝のキーマンとして前回2区区間賞の高田康暉ら4人がエントリーした3年生を挙げ、「3年生がいい走りをしてくれれば、優勝できる」と力強く語った。

 以下は、渡辺監督、エントリーメンバーの山本、高田、武田凛太郎、平和真(ともに2年)のコメント。

渡辺監督「走りの中で主導権を握るチームに」

「平常心で臨みたい」と監督として最後の箱根に向けた心境を語った渡辺監督 【CSPark】

(監督としての箱根駅伝は)最後ですが、特別何か変わったことをやるわけではなく、平常心で臨みたいですね。あとは、走るのは選手なので、彼らがどう受け止めてくれるか。私はいつもと変わらずにやるだけです。箱根では実力がきっ抗しているし、実業団ともわたり合えるチームがそろう中で戦います。(総合タイムで)11時間を切らないと、特に今の箱根では優勝できないと思っています。

 僕が最後だから頑張るというのではなく、一区間一区間で負けない、走りの中で主導権を握るチームになれればな、と。人の後ろについていくのではなく、自分から仕掛けていって、負けてもいいから前に出ていく姿勢を見せてほしいですね。

 今年の選手で言うと、高田が一番成長しました。去年、“花の2区”で区間賞を取ったことで何か勘違いをして、そこから崩れたのだけど(苦笑)。早稲田のエースのベースは大迫(傑、現日清食品グループ)あたりになりますが、そこにはまだ達していないですね。今年は3年生がキーマンになります。山本と田口(大貴)は最後の駅伝で頑張るのは当たり前ですが、3年生がいい走りをしてくれれば、優勝できると思います。

山本「自分が区間賞を取らないと」

左アキレスけんのケガで欠場した昨年の雪辱を誓う主将・山本 【CSPark】

 順調に来ているので、最後の箱根駅伝、渡辺監督も最後ですし、優勝を目指して頑張りたいです。

(前回大会、アキレスけん痛のため出場できなかった悔しさは)もちろんありますし、その悔しさよりもいろんな方々の期待にこたえられなかった分、つらい思いもしました。チームメイトや監督に迷惑をかけてしまった分、それを倍にして返さないといけません。4年目の最後の年なので、リベンジも含めて、最後の箱根駅伝でしっかりとした姿を見せたいと思いますね。

 昨年にケガをして、今年はキャプテンを担わせていただいた中で、思うようにいかない時もあったし、壁にもぶつかりました。その中で、自分の走りもうまくいかなかったところがあります。ただ、やっていくうちにキッカケもつかめるようになって、夏以降からようやく、少しづつ成果を得ながら自分自身も成長していく課程が得られたので、その姿を自分の走りに変えたいと思います。

(去年の今頃は)自分でも信じられないぐらい、現実を受け止められない感じだったんですけれど、アキレスけんも初めてだったので。ここまで走れないとは思っていませんでした。毎年そうですけれど、早稲田大は優勝を狙うチームで、自分も昨年、区間賞は最低ラインで、(走る予定だった)5区でリードを奪って往路優勝をしなければいけないと、高い目標を持ってやっていました。それくらいのメニューは組んでいかないといけないと思っていて。そこで追い込んでいった結果だったので、後悔はしていません。ただ、箱根を走れないという現実と、みんなの応援にこたえられない辛さというのはなかなか自分にとって大きいものがありましたね。

 特に今年は間違いなく自分が区間賞を取らないと、ほぼ優勝ができません。そこを取れば優勝できると思うので、狙っていきたいですね。

高田、渡辺監督に「結果で有終の美を」

「気持ちの面で落ち着きが生まれるようになった」と自身の成長を語った高田 【CSPark】

 左足の脛(けい)骨をケガしたときは、最初は痛くなかったのだけれど、早く走りたいという思いが出てしまって、また痛めてしまいました。今年は体幹を強くして、ブレないようにすることを意識しながらトレーニングに励んできたつもりです。

(渡辺監督は「高田が一番成長した」と言っていたが)去年一年で成長できたとは思います。箱根に出られるかどうかの選手から、区間賞を取れるまでになったので。今年に関しては、気持ちの面で落ち着きが生まれるようになったかなと思います。

 去年(の2区区間賞)は棚ぼたなところありました。個人的に世界で戦うにはトラックで通用しないといけないと思っているし、早稲田のエースとは言えません。世界と戦う目標も持っているので、今年の箱根の走りは自分の今後にも大事になってくると思います。服部勇馬(東洋大)選手や村山謙太(駒澤大)選手には負けたくないですね。


(今大会で退任する渡辺監督は)選手としても監督としても早稲田で活躍してきた人。そういう人に指導してもらったことは大きいし、1年生のとき、箱根に自分が出られなかったときも気にかけてくれたり、見てくれていて。「ありがとう」という言葉はいつでも言えると思うので、個人で勝つということも含めて、結果で有終の美を飾らせてあげたいし、胴上げをしてあげればと思います。1年生のときに「お前はここで競っている選手ではない」と言われて。もともと世界を目指して早稲田に入ったので、監督からのこの言葉が「自分がやらなきゃ」と思うようになったきっかけでもありました。

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