“チャンスの場”で見た選手の想いと現実 JPFA第2回目トライアウトレポート
「例年に比べると動きが鈍い」今年の移籍状況
アマチュア相手の試合でのアピールに「相手が相手ですし、どう判断してもらえるかは分からない」と話した千代反田 【宇都宮徹壱】
久々に会った知人のエージェントに、今年の移籍状況について聞いてみた。「例年に比べると動きが鈍いですねえ。このトライアウトが終われば、動きが出るかもしれません」とのこと。「玉突きの移籍が起こりやすいのがGKとストライカー。去年は西川(周作)が広島から浦和に移籍して、一気に玉突きが起こったじゃないですか。今年はGKの参加者が多いですが、そんなに大きな動きはないと思います。FWに関して言えば、豊田(陽平/鳥栖)次第ですかね。もし移籍ということになれば、あちこちで玉突きが起こると思います」
ところで前述したとおり、今年の第2回トライアウトは主にJ1所属の選手に向けて行われた。しかし実際にフタを開けてみると、J1クラブの選手はたったの13名。シーズンが終わり、あちこちから契約満了のニュースが届く中、これだけの人数しか集まらなかった状況をどう見るべきなのだろうか。ある関係者は、最近の傾向として「トライアウトに出ることで、逆に自分の価値が低く見られてしまうと考える選手も少なくないようですね」と教えてくれた。
確かにそういう考え方もあるだろう。とはいえ、第1回の参加者数74名は、昨年の70名をわずかながら上回っている。来年も2回行われるのか、それとも1回に戻すのかは分からない。が、必死で次の職場を求めている選手の数は常に存在するわけで、より多くのチャンスが与えられることをJPFAには望みたい。そしてこの日の参加者に、再びプレーの場が与えられることを、心より願う次第だ。
(協力:日本プロサッカー選手会)