宇賀地強、福岡国際で勝利の方程式確立へ 日本代表入り目指し「粘りを発揮したい」
「日本の駅伝で負けるわけにいかない」
「世界で戦うのならば日本の駅伝で負けるわけにはいかない」という宇賀地。写真は14年1月のニューイヤー駅伝のもの 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】
「もちろんニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝)も走らなくてはいけないと思います。でも、うちのチームは少しでも体調が整っていなかったらメンバーから外されるような状況で、チームとしての縛りもないので、心配しないで福岡に集中できるというのはありますね。それに僕自身の中にも、早く(日本代表を)決めて終わらせたいというのもありますし……。夏にせっかくやった部分を一度落としてしまうというのも嫌だし、単純な面ではあまり先延ばしにすると風邪やインフルエンザなどのリスクも増えてくる。だったら早くやってしまった方がいいと思うんです」
かつてのトップランナーは福岡に出場しても、当たり前のように全日本実業団対抗駅伝で結果を残していた。宇賀地自身の心の中にも、「世界で戦おうと思っていたら、日本の駅伝で負けるわけにはいかない」という気持ちもある。
「これから経験を積んで、レース中に相手の状態を見る目も養っていかなければいけないと思います。加えてかつての瀬古利彦さんのように、この展開なら勝てるというような自信を身につけていかなければいけないとも思いますね。そのためにも、福岡では今やっている練習が間違いないということを確立し、『これができていれば大丈夫だ』というものを見つけるレースにしたいですね」
福岡では最悪でも2時間7〜8分台を
「レースにパトリック・マカウ(ケニア)やマーティン・マサシ(スズキ浜松AC)などの外国勢がどういう状態でくるか分からないけれど、横浜国際女子マラソン(編注:田中智美=第一生命=がゴール直線の接戦を制し2時間26分57秒で優勝)のようにうまく見極めながら勝負しなければ、と思いますね。理想は30キロまでリラックスして走って、そこからは頑張らなくてはいけない。25キロから頑張らなければいけない展開になっても粘り切るしかないと思っています。それが自分の持ち味だと思っているし、世界選手権を見て可能性はそこだと思ったので、粘りを発揮したいなと思います」
駒澤大時代から注目され、期待されてきた宇賀地の本格的なマラソン人生は、福岡から始まるはずだ。