F1は再び“キテマス感”を起こせるか? 鍵はホンダと“勝てる”日本人ドライバー
14年は技術的挑戦の幕開けに
ハミルトンの2度目となるワールドチャンピオン獲得で幕を下ろした14年のF1。技術的な挑戦、ベッテルの苦戦など見どころも多かった 【Getty Images】
今シーズンは1988年以来のターボエンジンの復活。さらには従来のKERS(運動エネルギー回生システム)ではブレーキ制動から得られる回生エネルギーでモーターを駆動させてエクストラのパワーを得る機構が発展し、エンジンの排熱からもエネルギーを回生する仕組みを追加。しかも、エンジンからの排熱エネルギー回生には上限を設けないことで、いかに熱エネルギーを効率良く回生するかという、世界でも類を見ない技術的挑戦の幕開けにもなった。
数々の物語を紡いだ面白いシーズン
一方で、ターボの吸気部分と排気部分を離すことで熱エネルギー回生を飛躍的に向上させるアイデアを実装したメルセデス製パワーユニットを搭載したメルセデス、ウィリアムズ、マクラーレン、フォース・インディアは大いに躍進。なかでもメルセデスはワークスチームのアドバンテージを生かし、メルセデスとして初のワールドタイトル獲得を実現した。
一見するとメルセデスが圧倒したシーズンだったが、14年前の00年にカートレースでチームメートとしてチャンピオンを争っていた2人が、再びチームメートとしてワールドチャンピオンを争ったストーリーであったり、4年連続王者となり、ミハエル・シューマッハの記録を抜く逸材はただ一人、と思われたセバスチャン・ベッテルがチームメートのダニエル・リカルドに苦しめられたり、さらには名門と言われ続けながら97年以降ワールドチャンピオンが生まれていない古豪ウィリアムズが復調の兆しを見せたりと、あくまでも個人的な見解ではあるが、近年まれにみる面白いシーズンだったと思う。