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スポーツ庁新設とスポーツ政策の今
東京五輪まで6年、日本の司令塔は!?
推進本部を年内に設置する動きは内閣解散を受け一時棚上げとなった
推進本部を年内に設置する動きは内閣解散を受け一時棚上げとなった【写真:Natsuki Sakai/アフロ】

 にわかに注目されるスポーツ庁の新設。文部科学省の外局として、当初は2015年4月の実現を目指していたが、現状では来秋にずれ込む見通しで、15年10月までには発足すると見られている。


 そんな中、政府は先月28日に「東京オリンピック・パラリンピック特別措置法案」を閣議決定。その附則に内閣法の一部改正を盛り込み、閣僚の数を現行の18人から19人に増員。下村博文文部科学大臣が兼任するオリンピック・パラリンピック担当大臣を専任化するとした。そして特措法の成立後には安倍晋三首相が本部長、オリンピック・パラリンピック担当大臣が副本部長を務める推進本部を年内に設置し、大会準備を加速させる考えであった。


 結局、この動きは11月21日の内閣解散を受け一時棚上げとなったが、スポーツ庁新設に向けた調整は依然急ピッチで進められている。はたしてスポーツ庁はなぜ必要なのか、設置の目的は何か。全体像を踏まえながら紐解(ひもと)いてみたい。

スポーツ庁新設の背景と目的

スポーツ庁の体制は文部科学省内のスポーツ・青少年局を母体に各省庁の関連部門を集めた100人規模の組織になる見込み
スポーツ庁の体制は文部科学省内のスポーツ・青少年局を母体に各省庁の関連部門を集めた100人規模の組織になる見込み【写真:アフロ】

 スポーツ庁新設の背景には、スポーツを国策として捉えようという政府の考えがある。スポーツは国民の体力維持・向上を図るとともに、人々に豊かな生活をもたらし、健全な青少年の育成や高齢化社会における社会保障費削減、障害者の尊厳ある暮らしにつながる。またトップアスリートの国際舞台での活躍は国民に大いに活力をもたらす。さらにスポーツは今や、多様化する国際社会において友好、平和、相互理解などに貢献するため、20年東京オリンピック・パラリンピックのホスト国である日本も世界の中でリーダーシップを発揮し、存在感を示していかなくてはならない。


 それには旧態依然としたスポーツ界の仕組みにメスを入れることが不可欠。そこで複数の省庁にまたがるこれまでのスポーツ行政を一体化し、関係省庁やスポーツ関連団体と連携しながら人と財源を集約させ、トップスポーツと地域スポーツの両方を体系立てて推進していこうというのが、スポーツ庁設置の大きな目的である。スポーツ庁のベースには半世紀も前に作られたスポーツ振興法を大幅に改定した、11年公布のスポーツ基本法がある。


 また、スポーツ庁の体制は文部科学省内のスポーツ・青少年局を母体に、各省庁の関連部門を集めた100人規模の組織になる見込み。長官にはスポーツ界から民間人が登用される予定だ。

高樹ミナ
高樹ミナ
スポーツライター。千葉県出身。 アナウンサーからライターに転身。競馬、F1、プロ野球を経て、00年シドニー、04年アテネ、08年北京、10年バンクーバー冬季、16年リオ大会を取材。「16年東京五輪・パラリンピック招致委員会」在籍の経験も生かし、五輪・パラリンピックの意義と魅力を伝える。五輪競技は主に卓球、パラ競技は車いすテニス、陸上(主に義足種目)、トライアスロン等をカバー。執筆活動のほかTV、ラジオ、講演、シンポジウム等にも出演する。最新刊『転んでも、大丈夫』(臼井二美男著/ポプラ社)監修他。

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