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ラグビー日本代表、敗戦から得た収穫
欧州遠征リポート

連勝記録は11でストップ

欧州遠征でグルジアに敗れ、テストマッチの連勝が11で止まった日本代表
欧州遠征でグルジアに敗れ、テストマッチの連勝が11で止まった日本代表【斉藤健仁】

 ラグビーワールドカップを来秋に控えた「エディー・ジャパン」ことラグビー日本代表は、11月の上旬は個に優れ、崩れた状態からの攻撃が得意なマオリ・オールブラックスと2戦2敗。そして11月中旬から下旬にかけて、今度は逆のスクラムとラインアウトというセットプレーを得意とするルーマニア代表、グルジア代表と対戦するために遠征に出た。


 2年前の遠征でも同じ相手と対戦し連勝、敵地で欧州勢に初めて勝利した。だが今回はルーマニア代表にこそFB五郎丸歩(ヤマハ発動機)の6PGで18対13と勝ったが、グルジア代表には24対35で敗戦。テストマッチ(国際試合)連勝記録は11で止まり、一時9位まで上げた世界ランキングは11位へと下がった。

「2、8、9番」に経験を積ませる狙い

グルジア戦では相手FWのパワーに苦しめられた
グルジア戦では相手FWのパワーに苦しめられた【斉藤健仁】

 ただ「6月からすべてワールドカップのためにやっている」と公言している日本代表の名将エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)には、今回の遠征は、若手を中心に今まで出番の少なかった選手に経験を積ませ、選手層を厚くするという狙いがあった。


 2年前と今回の対戦でともにメンバー入りしたのはルーマニア代表戦で計9人、グルジア代表戦で計10人。つまり今回の両者との対戦では、大半が2年前を経験していない選手だった。というのもHO堀江翔太、SH田中史朗(ともにパナソニック)のスーパーラグビー組は試合続きでオフがあまりなかったため、11月は休ませた。また若き両翼の福岡堅樹(筑波大3年)、藤田慶和(早稲田大3年)はケガで試合に出場できなかった。


 特に指揮官が期待をしていたのは「2、8、9番」だった。2番の堀江、9番の田中がケガした場合を考え、スクラムやラインアウトのスローイングを司るHO木津武士(神戸製鋼)、素早い攻撃を信条とするSH日和佐篤(サントリー)は11月の4試合すべてで先発し、その経験値を高めた。「木津はHOとして成長している。スクラムの重要性を認識し、スローイングも良くなってきた。日和佐は、フミ(田中)不在の中、ルーマニア代表戦が一番良かった」(ジョーンズHC)

「フィジカルモンスター」と呼ばれる新星

抜群の身体能力を生かした突破を見せるマフィ
抜群の身体能力を生かした突破を見せるマフィ【斉藤健仁】

 そして「コリー」ことホラニ龍コリニアシ(パナソニック)が先発を務めてきたNo.8には新星が名乗りを上げた。「特にFWに“Xファクター”がいれば招集する」と言っていた指揮官のお眼鏡にかなったのは関西大学Bリーグの花園大出身の新人、「ナキ」ことNo.8アマナキ・レレィ・マフィ(NTTコミュニケーションズ)だった。


 母国のトンガ代表ではなく日本代表を選んだナキは「フィジカルモンスター」と呼ばれ、身長189センチ、体重112キロという体格ながら瞬発力はチーム内でトップ。「遠征は楽しかった! 自信になった」というナキはルーマニア戦で初キャップを得て、続くグルジア戦ではスクラムから見事な突破を見せてWTBカーン・ヘスケス(宗像サニックス)の代表初トライをお膳立て。「またラグビーを勉強中ですが、どれだけポテンシャルがあるのか予測不可能。コリーの代わりになれる選手になってきました」とジョーンズHCも急成長に目を細めていた。


 ほかにも昨年度のトップリーグ新人賞の左PR稲垣啓太(パナソニック)とWTBヘスケスがルーマニア戦で初キャップ、そしてルーキーの右PR垣永真之介(サントリー)がグルジア戦で初キャップを獲得したように当初の目的の一つは果たせたと言えよう。

斉藤健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーとサッカーを中心に執筆。エディー・ジャパンのテストマッチ全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」、「高校生スポーツ」の記者も務める。 学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「世界最強のゴールキーパー論」(出版芸術社)、「ラグビー「観戦力」が高まる」(東邦出版)、「田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由」(ガイドワークス)、「ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「エディー・ジョーンズ4年間の軌跡―」(ベースボール・マガジン社)など著書多数。最新刊は「高校ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版/2017年11月刊)。

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