アギーレ「計画通りに前進している」=国際親善試合 オーストラリア戦後会見

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オーストラリア戦後の会見に臨んだアギーレ監督 【写真は共同】

 サッカー日本代表は18日、大阪・ヤンマースタジアム長居でオーストラリア代表と対戦し、2−1で勝利を収めた。日本は前線からプレスをかけてくるオーストラリアに苦戦したものの、後半16分に今野泰幸のゴールで先制すると、後半23分には岡崎慎司が追加点を挙げる。アディショナルタイムの後半47分にティム・ケーヒルのゴールを許したものの、そのまま逃げ切り年内最後の2連戦を2連勝で締めくくった。

 試合後、ハビエル・アギーレ監督は「この試合の目的(勝つこと)を果たすことはできたと思う。これで喜んで一度、家に帰ることができる」と勝利という結果に満足感を示した。また、就任してからの6試合について質問が及ぶと、「6試合の中で、このチームはゲームのプレーの形、激しさ、コンセプトといったものを習得してきた。計画通りに前進している」とチームづくりに対する手応えを口にした。

新たに加わった全員が期待に応えてくれた

 この試合の目的を果たすことはできたと思う。それは勝つことだ。そしてサポーターの方々に喜んで帰ってもらえることを望んでいた。そしてホンジュラス戦(14日、6−0)と合わせて、アジアカップ(アジア杯)に向けた(選手選考の)最後のところを行いたいと思っていた。この合宿には新たに遠藤(保仁)、今野、乾(貴士)、豊田(陽平)という4人の選手が新たに加わったが、全員が期待に応えてくれた。(編注:東口順昭、内田篤人もアギーレ体制では初招集)

 これで喜んで一度、家に帰ることができる。そして12月29日に、アジア杯に向けた合宿が始まり、そこからディフェンディングチャンピオンとしての仕事が待っている。

──前半と後半でフォーメーションを変えたが、相手を見て思い付いたのか、それとも最初から予定していたのか?

 前半のうちにシステムを変えた。(香川)真司をトップ下にして、遠藤と長谷部(誠)のダブルボランチにした。もちろん相手のプレーによる部分もあり、こちらが快適にプレーできていなかった部分もある。サッカーとはそういうもので、戦略のゲームだ。そして幸運にも、このチームには複数のポジションをこなせる選手がいる。またホンジュラス戦も今日も、ベンチから入った選手がいいプレーを見せてくれた。

──システムを変えて試合の流れも変わったが、選手たちの見せたプレーは期待通りだったか?

 中盤の形を変えたが、それ以外のところは大きく変えていない。中盤の底に1枚、その前に2枚というところから、底に2枚と前に1枚という変更のみだ。前半は相手がかなり強いプレッシャーをかけてきたので、あまりつなぐことができなかった。しかしわれわれは、それが90分間続かないだろうと予測してプレーしたが、そのとおりになった。2得点が決まり、それ以外にも決定機があったが決まらなかった。それもサッカーだ。ロッカーにいた選手全員が喜んでいた。うれしい気持ちで家に帰ることができる。

──最後の失点をどう評価するか?(大住良之/フリーランス)

 失点は常に不快なものだ。私は常に無失点で終わりたいと思っている。ディフェンスの選手にもGKにも、今日は無失点で終わるように言ったが、これは相手のプレーも良かったという側面がある。しかし試合を通してDFはいい仕事していた。相手の決定機は2回くらいしかなかった。

アジア杯は勝たないといけない大会だ

──ダブルボランチにして流れを引き寄せたが、今後も基本はアンカーが主流か? それとベテランを呼んで結果を出したが、それは若手が伸び悩んでいるからか?(小谷紘友/サッカーキング)

 ゲームプランはあらゆる視点から組み立てることができる。そしてゲームプランを組み立てるために、クレバーで複数のポジションができる選手を選んでいる。私は年齢ではなく質で選んでいる。そしてベテランが勝つ、若手が勝つというのではなく、日本代表というひとつのチームとして全員で勝った試合だと思う。よりベテランが多い試合もあれば、より若手が多い試合もある。

──今後もアンカーを置くのか?(小谷)

 それはあまり重要ではない。

──昨日の会見で、オーストラリア戦が終われば1〜2人の選手を除いて最終メンバーを固めたいといっていたが、実際はどうか? そしてその固まったメンバーで、来年のアジア杯で結果を残せる手応えを感じているか?

 われわれはこの6試合を利用して、チームにコンセプトを与えてきた。選手は38人から40人招集してきた。まず早い段階で50人のリストを作成しないといけないのだが、それはもうできている。そして8月に来日した当初から、アジア杯は勝たないといけない大会だと言い続けているが、私もそういうメンタリティーだし、選手もそう考えている。誰がプレーしても、どういう形でプレーしても、そういう気持ちで臨む。

──前半の初めの時間帯でオーストラリアが攻めこんできて、日本の左サイドからやられていた。最初のシステムのときに、サイドアタッカーの武藤(嘉紀)の守備に問題があったように見えたが、サイドアタッカーにはどのような守備的なタスクを与えていたのか?(後藤健生/フリーランス)

 武藤と(本田)圭佑、乾であっても仕事は同じだった。パスコースを消して、相手のサイドバック(SB)にプレッシャーをかける。そしてSBが上がってくれば、付いていってクロスを阻止する。他の選手であっても、そうしたディフェンスのタスクを持っている。オーストラリアは前半は前からプレッシャーをかけてきたので、日本がボールを持てないというイメージを持たれるかもしれないが、相手のチャンスもヘディングによる1回のみだった。

──本田と武藤の守備には満足しているか?(後藤)

 満足している。2人ともしっかり下がって守備を手伝っていた。

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