諏訪魔&ドーリング組が2連覇へ好発進=全日本プロレス最強タッグ開幕戦

高木裕美

わずか7分足らずで前王者の秋山&大森組に完勝

前世界タッグ王者の秋山&大森組をわずか7分足らずで撃破し、2連覇へ好発進したドーリング&諏訪魔組 【花田裕次郎】

 全日本プロレス「2014世界最強タッグ決定リーグ戦」が16日、東京・後楽園ホールで開幕し、1409人を動員した。今年は8チームが参加し、12.6大阪ボディメーカーコロシアム大会で優勝決定戦を開催。優勝チームが、新たな世界タッグ王者組となる。

 メインイベントでは、昨年度覇者の諏訪魔&ジョー・ドーリング組が、世界タッグ王座を返上した秋山準&大森隆男組に完勝。わずか398秒での短期決着に、諏訪魔は「歴史に名を残す」と2連覇を宣言した。

 秋山&大森組は開幕戦を前に、「自らを追い込むため」世界タッグのベルトを返上。その背水の陣の覚悟を示すべく、諏訪魔組に奇襲攻撃を仕掛けていく。諏訪魔が秋山のエクスプロイダーでダウンするも、ドーリングは、Tシャツを着たままダブルのラリアットで2人まとめて吹っ飛ばし、三冠ヘビー級王者の意地を爆発。大森のアックスギロチンドライバーを食らいながらも、アックスボンバーは阻止すると、ドーリングが大森にレボリューションボム、諏訪魔が秋山にラストライドを同時に炸裂。わずか7分足らずの圧勝劇で、6月にタッグ王座を奪われた借りを返した。

「ああいうがさつな形で仕掛けてきたら、パワーではね返すのは当たり前」と勝ち誇る諏訪魔に対し、ドーリングも「プロレス界に存在するタッグチームでのベストはわれわれだ」と、文字通り「世界最強タッグ」であることを確信。98&99年の小橋健太&秋山準組以来となる2連覇達成に盤石の自信を見せつけた。

曙&吉江の360キロコンビが黒星発進…

曙をブレーンバスターで投げるBodyguard。ゼウスとのタッグで吉江との360キロ巨漢コンビを破って、「オレらを調子に乗せたら優勝や」と豪語 【花田裕次郎】

 セミファイナルでは、ジュニアタッグリーグ戦で優勝した青木篤志&佐藤光留組が、Xceedの潮崎豪&宮原健斗組と対戦。30分時間切れ引き分けとなる熱戦を繰り広げた。体格でハンディのある青木組は、得意のサブミッション地獄に引き込み、潮崎組にペースを握らせず。このリーグ戦用に新合体技の新世界(潮崎のラリアット&宮原のブレーンバスター)を開発しながら、寸前で阻まれ、焦った潮崎は、時間切れ寸前にラリアット、ゴーフラッシャーと必殺技をたたみかけるも、カバーに入ろうとしたところを青木にアームロックに切り返されて万事休す。失点1でのスタートに、潮崎は「今日の引き分けは負けに等しいとガックリ。だが、宮原は「優勝してベルトを獲って、2015年の全日本プロレスをさらにもうひとつ上のステージに引っ張り上げる! 次は絶対に落とさない!」と、早くも気持ちを切り替えた。

 大肉弾対決となったゼウス&The Bodyguard組vs.曙&吉江豊組は、筋肉獣としての意地を見せつけたザ・ビッグガンズが、合計360キロの巨漢コンビを粉砕。Bodyguardが曙をブレーンバスターで投げきれば、ゼウスが吉江にジャックハマーでフィニッシュ。「ただ勝つだけやない。みんなを驚かせる。それがオレらのプロレス」(ゼウス)「オレらを調子に乗せたらこのまま優勝や」(Bodyguard)と、さらなる快進撃を予告した。

 真霜拳號&タンク永井組VS KENSO&長井満也組の因縁対決は、DARK KINGDOMを裏切った真霜が、KENSOを垂直落下式ブレーンバスターでごう沈。「ギリギリの勝利。これがオレたちの勝ち方だ」と高笑いした。

73歳ドリーが渕との133歳タッグで快勝

 PWF会長のドリー・ファンク・ジュニアがことし7月以来、約半年ぶりに来日。最強タッグの開会宣言に加え、試合にも出場し、73歳とは思えないタフネスさを見せつけた。ドリーは還暦を迎えた渕との133歳タッグを結成。まな弟子である西村修に、代名詞であるスピニングトーホールドを仕掛けると、さらにダブルアームスープレックス、バックドロップも披露。チームの勝利を呼び込むと、試合後は観客の大歓声に両手を挙げて応えた。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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