大リーガーに前田、金子はどう映った? 本来の出来でなくとも示した価値
侍のエースが示した価値
侍ジャパンのエース、前田(左)と金子。2戦までに先発した日本を代表する右腕をメジャーはどう見たのか 【Getty Images】
前田はいつもよりスライダーを減らし、その代わりにツーシームを多投して5回までに2安打しか許さず無失点。一方、試合後に小久保監督が「今季の中でも状態が悪かった」と振り返った金子は、2点本塁打、三塁打と2本の長打が絡んで3点を奪われたものの、5回までに打たれたヒットは3本のみ。ストレートを軸に多彩な球種を投げ分け、強力打線に的を絞らせなかった。
果たして屈強なメジャーリーガーたちの目に、ふたりはどう映ったのだろうか。まずは、初戦を任された前田について。2014年に打率3割1分9厘でナ・リーグの首位打者に輝いたジャスティン・モーノー(ロッキーズ)は、手元で鋭く落ちるツーシームがとりわけ印象に残った様子だ。
「素晴らしいボールを投げていたね。4種類の球でストライクを取ることができる。シンカー(ツーシーム)はとても走っていた。ストレートも球威があった。メジャーに加われば、どのチームであっても貢献してくれるはずだ」
ロンゴリア、前田は「求められるふたつの質を備えている」
「ストレートのコントロールが良いね。メジャーリーグのピッチャーに求められるふたつの質を兼ね備えている。ストレートを自分の狙い通りにコントロールすることと、低めにボールを集めることだ。そうすれば、長打を多く打たれることはないからね」
さらにダルビッシュ有が所属するレンジャーズでピッチングコーチを務めるマイク・マダックスが、投手目線で前田を分析する。
「自分の好きなタイプのピッチャーだ。素晴らしいストレートを投げるし、カーブも良くて、スプリットも良い。曲がりの小さなスライダーも良かった。コントロールの良さも見せていたね。そして緩急をうまくつけてくる。アウトの打ち取り方を知っているピッチャーだ。前田にはストライクをとれる4つのボールがある。メジャーリーグで活躍できると思うよ」