新生スマイルジャパンの新たな一歩 「考えるホッケー」でさらなる進化へ

沢田聡子

チェコに勝利し、トップディビジョンへ

チェコとの世界選手権トップディビジョン入れ替え戦に勝利したスマイルジャパン 【写真:伊藤真吾/アフロスポーツ】

「もう少し、考えなければいけない」――。

 2018年に韓国・平昌で開催される冬季五輪への第一歩である「2015 IIHF女子アイスホッケー世界選手権 トップディビジョン予選」(新横浜スケートセンター/11月8、9、11日)を辛くも勝ち上がった直後の会見で、アイスホッケー女子日本代表の藤澤悌史監督はプレーの内容についてそう述べている。

「賢く戦うチーム」を目指す新生“スマイルジャパン”は、絶対に負けられないチェコとの入れ替え戦を2勝1敗で勝ち抜け、15年3月末からスウェーデン・マルメで開催される世界選手権トップディビジョンで、世界の強豪に挑む権利を獲得した。

 悲願だった五輪出場を14年のソチ大会でついに果たした日本は、メダル獲得を目標に掲げていたが一勝も挙げられず最下位。五輪の舞台で、世界トップレベルとの差を痛感させられる結果となった。

若返ったスマイルジャパン

今季から女子日本代表の指揮を執ることになった藤澤悌史監督(左) 【写真:伊藤真吾/アフロスポーツ】

 ソチ後初めての大きな国際大会となる今大会に、日本は新体制で臨んだ。ソチ五輪で指揮を執った飯塚祐司監督に代わり、コーチとしてチームを支えていた藤澤氏が新監督に就任。またソチ後引退した選手も数人おり、新メンバーが加わって若返ったスマイルジャパンは新たなスタートを切ることとなった。

 従来、五輪シーズンは女子の世界選手権は開催されてこなかったが、ソチ五輪のシーズンはトップディビジョンを除くグループで開催された。世界選手権のトップディビジョンを兼ねていたソチ五輪で最下位だった日本は、ディビジョン1A組(2部相当)優勝のチェコと入れ替え戦を戦うことになった。

 予定では、16年世界選手権終了時に平昌五輪向けの世界ランキングが決まる。その際に1位から5位までの国と開催国は五輪出場枠を自動的に獲得し、6位から11位までの国は最終予選に、12位以下の国は予選に回ることになる(開催国・韓国のランキングによって枠は変動する可能性あり)。

 日本にとって、世界選手権でトップディビジョンに残ることは、世界ランキングを上げて五輪出場を確実にするためにぜひともクリアしなければならない条件であると同時に、強豪と対戦する貴重な機会を得ることでもある。

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著者プロフィール

1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。主に採点競技(アーティスティックスイミング等)やアイスホッケーを取材して雑誌やウェブに寄稿、現在に至る。

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