エディージャパンが見せた3年間の真価 マオリ戦にあった明確な意図
相手ディフェンスを崩すための工夫
従来の戦術に変化を加えたエディー・ジョーンズHC 【斉藤健仁】
もう1つは「強いランナーを使う」(FB五郎丸)ことだった。順目に攻め続けるアタック・シェイプを継続しながら、逆サイドのスペースに「ポット・アタック」のように、前もって第3列のFLリーチ マイケル(東芝)やNo.8アナマキ・レレィ・マフィ(NTTコミュニケーションズ)を配置。ほかにもCTBマレ・サウ(ヤマハ発動機)、CTB松島幸太朗(サントリー)ら好ランナーが多いからこそ実現できた戦術と言えよう。
「第3列の選手を逆サイドに立たせて良いバランスに」
リーチ主将が逆サイドから攻撃することで、相手ディフェンスを分散させた 【斉藤健仁】
また、1戦目において一番の課題だった攻守の切り替えであるが、春からリー・ジョーンズコーチの下でディフェンスを強化してきたことや、月曜日の練習の強度を落として調整したことが功を奏した。試合終了3分前に逆転トライを許したものの、攻撃能力の高い相手に計3トライしか与えなかったことは概ね合格点と言える。
世界ランキングは史上初の9位に
ペナルティートライを奪うなど、日本にとって大きな武器となったスクラム 【斉藤健仁】
それでもFB五郎丸が試合後に言った。「誰もが先週の40点差を埋められないと思っていたのではないでしょうか。1戦目が(大敗で)終わり少し迷いが出てくるところでしたが、やってきたことが自信につながった」。改めて進化している姿を、今シーズン、日本での最終の戦いで見せることができた。11月10日付けのIRBの世界ランキングで初めて一桁となる9位に入った「エディージャパン」こと日本代表。これからも来年のW杯での初のベスト8を目指して邁進(まいしん)していく。