エディージャパンが見せた3年間の真価 マオリ戦にあった明確な意図
一週間で「40点差」が「2点差」に
第2戦はWTB山田のトライなどで格上のチームを相手に健闘した 【斉藤健仁】
ちなみに、マオリ・オールブラックスとはニュージーランドのマオリ民族の血を少しでも引いている選手たちから構成され、1910年からの伝統を持つチームで、2003年以降、国代表チーム相手に無敗。今回のツアーは若い選手も多かったが、ジョーンズHCが「世界ランキング6位〜7位に相当する」と評価していたように、スーパーラグビーでプレーする選手も多数おり、いわば本家オールブラックスに準じるチームだった。
田中、堀江ら中心選手不在でのチャレンジ
試合前に「ハカ」を披露するマオリ・オールブラックス 【斉藤健仁】
W杯に向けて、若い選手の強化、そしてスクラム以外の新たな強みを見つけることが目的だった。だが相手の接点を捨てて早く広がるディフェンスが機能していたこと、開始早々にSO田村優(NEC)がケガをしたこと、宮崎合宿で練習の強度を「上げすぎた」(FB五郎丸歩/ヤマハ発動機)ことなどの影響で、自らのミスから相手の素早いカウンターで8トライ中6トライを献上。「相手は接点でのパワーと攻守の切り替えが良く、日本代表にとって良いレッスンになった」(ジョーンズHC)
第2戦は「もっとスマートに」
キック、パス、自らの突破と判断が光ったSO小野 【斉藤健仁】
まずSO小野晃征(サントリー)、FB五郎丸を中心に“賢く”キックを使った。自陣奥深くからだけでなく、ハーフウェイから自陣22m内ではボールを動かしてから、しっかりスペースにキックを蹴ってワンバウンド以上でタッチを狙った。タッチに出ない場合もしっかりとほかの選手がそろって前に出て相手のアタックに備える。実は3年前から菅平の夏合宿で3年連続、練習で落とし込んできた形でもある。