「会場全体が熱くなれる大会を目指す」=小橋建太氏が語る12.10FD2見どころ

高木裕美

カードはいちファンとして考える楽しみもある

今回、スポーツナビでは小橋さんに12月10日、後楽園ホールで行われる「FortuneDream2」の見どころや出場選手への期待、そして今後の夢などについて単独インタビューを敢行した 【スポーツナビ】

 昨年5月11日に引退した「プロレス界の鉄人」小橋建太さんがプロデュースする「FortuneDream2」が12月10日、東京・後楽園ホールで開催される。6月8日に同所で開催された第1回大会では、好勝負が続出。メインイベントでは、30分時間切れでも選手、観客とも興奮冷めやらず、延長戦に突入した。今回の第2弾興行開催にあたって、小橋さんに大会の見どころや出場選手への期待、今後の夢などについて聞いてみた。

――まずは前回の第1回大会を振り返っての感想は?

 会場が熱気に包まれて、1試合目からよく盛り上がってたね。反省点は、前回は全席均一料金で、一番前も一番後ろも同じ金額だったので、今回は席種によって金額を変えて、不公平感をなくした。

――前回大会では、客席で観戦する丸岡いずみさん夫妻が密着取材されて、バラエティー番組で紹介されていましたね。

 前からファンで、フィギュアを持ってるのも知ってたんだけど、ああいう風に興奮している客席の丸岡さんを見たのは初めてで、すごくプロレスへの愛情を感じた。「いいぞ、丸岡いずみ!」って(笑)。

――前回は客席に小橋さん個人のファンも多いと感じました。

 小橋建太が選んだ選手だから見てみたい、というお客さんも多かったと思う。前回は日曜日だったけど、今回は平日の水曜日なので、地方のお客さんには申し訳ないな。

――カードなどはいつ、どこで考えていますか。

 お風呂場とかで、この選手とこの選手が組んだら面白いかな、とかいろいろ想像しながら考えている。選ばれた選手たちが、「試合で何を見せてくれるか」という無言のプレッシャーの中で、どんな試合をしてくれるのか、いちプロデューサーとしての楽しみもあるし、いちファンとして、「この人とこの人がやったらどうなるのか」という楽しみもある。今回はどの試合が抜け出すのか。前回はメインイベントが予想していた以上に白熱した。

三冠王者のドーリングの出場には意義がある

FD第2弾興行には全日本プロレスの三冠王者ジョー・ドーリングがメインに参戦。小橋さんは「将来、ハンセンやウィリアムスのような選手になってほしい」と大きな期待をかける 【前島康人】

――今回のメインの見どころは?

 ジョー(・ドーリング)と火野裕士君は、外国人と日本人の怪物対決。前回大声援を受けた火野君は今回も熱く戦ってくれるだろうね。また、前回のメインでは、ほかの3人が剛の中で、宮原(健斗/全日本プロレス)君だけが柔で、1人だけ損した部分はあると思う。でも、バーン、バーンとぶつかり合う試合に耐えるだけの忍耐力も備わってるし、剛の中にそういう選手が1人入ってるだけで違う。前回の試合を自分で反省していると聞いて、だからこそ、またメインで使いたいと思った。彼なら困難を与えても、それを乗り越えられる。プロレスの未来を背負う男だと期待している。若いし、自分の力で打破していけばいい。

――DRAGON GATEの選手が他団体と絡むのも珍しいですね。

 鷹木(信悟)君は以前、スポーツクラブで会って、すごく好青年だった。DRAGON GATEはジュニアヘビー級の選手が多い中で、パワーファイトができるので、以前から注目していた。望月(成晃)選手もそうだけど、今回、他団体とどう絡むのか楽しみだね。

――ドーリングは現三冠ヘビー級王者です。

 三冠チャンピオンという全日本のトップの選手がこのリングに上がってくれるのは、すごく意義があると思う。ジョーには若手の壁となって、次々と選手を叩きのめして、ボコボコにしてもらいたい。自分も昔、(スタン・)ハンセンに向かっていって、「クソーッ」って思って行くと、また倍以上に返されて、それでもまた向かっていって、さらにまた倍返しされて、その繰り返しだった。将来的には、ハンセン、(スティーブ・)ウィリアムスのような選手になれると思う。

――セミファイナルも豪華な顔ぶれがそろいましたね。

 杉浦(貴)、関本(大介)、越中(詩郎)さんという感情を表に出す選手と、佐藤(耕平)、中嶋(勝彦)、佐野(巧真)さんというストライカーの対決。いったい誰がストライカーのサンドバックになるのか。相手側もそれを受けられるだけの頑丈な選手たちばかり。FortuneDreamは若い選手だけのものじゃない。歳を取った選手たち、オレたちよりも上の世代が、若い選手たちに負けないで戦う姿を見たい。越中さん、佐野さんは、個性を出せる2人だと思う。安定感でいえば、セミの方がメインよりもいい試合になるかもしれない。このセミを見て、メインに出場する選手たちが何を感じるのか、無言のプレッシャーにどう応えるのか、賭けの部分もある。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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