英国で世界に挑む大竹秀典が歩んできた道=叩き上げボクサーが狙う史上初の快挙
毎日コツコツと積み重ねた練習の日々
「今までの負けないスタイルにプラスアルファで、いかに倒すかをスパーリングで試行錯誤している」と後半決着で勝負をつけるための形を追求している 【スポーツナビ】
「ボクシングは、人との出会いを含め、自分をいい方向に導いてくれるもの」と大竹は言う。『横浜ビール』の太田久士社長との出会いもそのひとつだろう。太田社長と大竹との出会いは、まだ日本王者になる前の3年前。もともと太田社長がジムの会員だったことが縁で大竹の試合を観戦した。その大竹の試合に感銘を受けた太田社長が祝勝会に参加。上京以来、飲食店でバイトをしてきた大竹は、その場で社員に誘われたのだという。「熱意を持って、自分に投資してくれた。そこに真剣さや想いがあるか、が社長のモットー。考え方も合った」。以来、直営レストランの厨房で働くなど、サポートを受ける。
王者の焦りを誘いながら後半勝負へ
日本人選手が英国で行われる世界戦のリングに立つのは、約46年ぶり2人目。過去に欧州から世界のベルトを持ち帰った日本人選手は1人もいない。自身が人生2度目の海外、初の外国人選手との対戦と初めて尽くしの中で快挙に挑戦する 【スポーツナビ】
試合会場のエコー・アリーナは満員札止め。1万3千の大声援がクイッグの背中を後押しすることになりそうだ。海外には「社員旅行で韓国に一度行ったことがあるだけ」。外国人選手との試合経験もない。だが、「あまり気にはしてないし、それで世界王者になれば、人ができない形でなったということなので達成感があると思う」と頼もしい。意気込みだけではない。大竹のボクシングは一言で表現すれば、負けないスタイル。挑戦者として「今までのスタイルにプラスアルファで、いかに倒すかをスパーリングで試行錯誤している」。前半を乗り切り、王者の焦りも誘いながら、その瞬間をうかがう。日本人選手が英国で行われる世界戦のリングに立つのは、約46年ぶり2人目。過去に欧州から世界のベルトを持ち帰った日本人選手は1人もいない。叩き上げの男が史上初の快挙を狙う。