カノ、ハーパーらMLBスターに注目を 日米野球で侍ジャパンが激突

杉浦大介
 2006年以来、8年ぶりとなる日米野球が12日から日本各地で行われる。MLBオールスターは必ずしもスーパースターぞろいとは呼べないが、野手陣にはなかなかのビッグネームも名を連ねている。投手陣では岩隈久志(マリナーズ)、和田毅(カブス)といった日本人投手たちの凱旋登板も興味深い。この楽しみなイベントを前に、今回は来日が決定している中から個性的な4選手を取り上げ、その魅力を紹介するとともに、日米野球の見どころを探っていきたい。

245億円の価値、弱点なき天才打者・カノ

メジャー屈指のバッターとして君臨するカノ。MLBオールスターの主軸として大暴れするか 【Getty Images】

 先天的なバットコントロールを誇るメジャー有数のピュアヒッター、ロビンソン・カノ(マリナーズ)。過去6年連続で打率3割以上を残し、“いずれ必ず首位打者に輝くだろう”と言われ続けている。昨オフに10年2億4000万ドル(約245億円)という巨額契約でヤンキースからマリナーズに移籍すると、1年目から打率3割1分、14本塁打と活躍。長く低迷していたチームを久々のプレーオフ争いに導いた。

 基本的にストライクゾーン内に弱点は存在せず、ヤンキース時代には宿敵レッドソックスの主砲デービッド・オルティスから“マシーンのよう”と称されたほど。二塁手としてのグラブさばきにも定評があり、余りにも軽快に難ゴロをさばくがゆえに“緊張感が足りない”と批判された時期すらあった。

 ドミニカ共和国出身だが、ロビンソンというファーストネームは黒人初のメジャーリーガーであるジャッキー・ロビンソンにちなんだもの。同じくメジャーリーガーだった父の期待に応えた天才打者は、日本でもいつも通りに笑顔を浮かべ、MLBオールスターの主軸として猛威を振るうはずだ。

会見も注目、「史上最高の選手」狙うハーパー

史上最年少の新人王をはじめ、若くして実績十分のハーパー。メジャーを代表する将来のスーパースター候補だ 【Getty Images】

 ブライス・ハーパー(ナショナルズ)は弱冠16歳にして、米国で最も権威あるスポーツ誌である『スポーツ・イラストレイテッド』の表紙を飾った“神童”。19歳でメジャーデビュー、最年少でのオールスター出場、史上2人目の10代で20本塁打以上、史上最年少での新人王……とプロでもすでに多くの勲章を積み重ねてきた。

 バットスピードと爆発的なパワーは一見の価値があり、将来的にはメジャーを代表するスーパースターになることが確実視されている。ハッスルプレーゆえにケガが多いのが弱点で、22歳で迎えた今季はわずか100試合出場、13本塁打。それでもプレーオフでは4試合で3本塁打と打撃不振のチーム内で孤軍奮闘し、才能、度胸、大舞台での強さをあらためて印象付けた。

「史上最高の選手と認められたい」と語ったり、リポーターの興味本位の質問を「ばかげた質問だよ」と一蹴したり、有数のビッグマウスとしてのエピソードも数多い。リラックスして臨むであろう日米野球では放言は少ないだろうが、試合後の会見まで注目が集まる希有なタレントであることに変わりはない。

1/2ページ

著者プロフィール

東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント