箱根駅伝を目指す“非強化校”の強化 立教大学生記者が見た予選会の戦い
東京・立川で行われた箱根駅伝予選会。今年もさまざまなドラマがあった。 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
『10枠』という狭き関門に、全48校、561人の選手が挑戦し、名門校の伝統を守った大学、初出場を決めた大学など、今年もさまざまなドラマがあった。
そんな中、第44回大会(1968年)以来の本戦出場を目指した立教大は、上位10人の最終総合タイムが11時間1分54秒で28位。トップで本戦出場を決めた神奈川大とは53分43秒の差がつき、10位の創価大とも47分51秒の差で、今年もまた悲願達成はならなかった。
タイムだけを見ると箱根への道はまだまだ険しく感じるが、立教大のような駅伝“非強化校”の強化はどのように進められているか? 今回は同校の学生新聞『立教スポーツ』の編集部員に、その現状をリポートしてもらった。(スポーツナビ編集部)
夏合宿を順調に消化
それでも学生の自主性に重きを置く『自由の学府』らしく、個人の力量で勉学、競技の両立を目指すべく、日々活動を行っている。
今季はひとつ変わったことがあった。今年7月、埼玉・新座キャンパス内に「セントポールズフィールド」と呼ばれる練習施設が完成したのだ。今までは代々木公園陸上競技場(織田フィールド)など学校から遠い場所を拠点にして練習を行ってきたが、学内に競技場ができたことで、効率よく練習に取り組めるようになった。これは選手たちにとっても大きな意欲につながっただろう。
また今年の8月上旬には4泊5日の菅平での1次合宿、8月下旬には10泊11日の黒姫高原での2次合宿を行なった。長期に渡る夏合宿ではあったが、故障者も少なく、多くの選手が高いレベルで練習を積むことができた。さらに慶応大などライバルとなる大学との練習も例年以上に増え、競い合うことで刺激を受け、タイムを伸ばす選手も多く見られた。その結果、1万メートルを30分〜32分台で走る選手がそろい、予選会に臨むことができた。