ビジョンが見えないオランダ代表に危機 早くも予選2敗目でユーロ出場に暗雲漂う
オランダに全く油断はなかった
早くも予選2敗目を喫したオランダ。W杯で3位に輝いた面影はなく、“ナイーブ”なチームになってしまった 【Getty Images】
一方、オランダと言えばフース・ヒディンクの初采配となったイタリアとの親善試合で0−2と敗れ、続くユーロ予選初戦ではチェコ戦を1−2で落とす最悪のスタートとなった。10月になってもオランダの調子は上がらず、ホームのカザフスタン戦で大いに苦しみ、辛うじて3−1で逆転勝ちした。
こうして迎えたアウェーでのアイスランド戦だけに、オランダに油断は全くなかった。アイスランドの速攻を恐れ、オランダの立ち上がりは非常に慎重。GKヤスパー・シレセンも使いながらDF間で横パスを繰り返し、レイキャビクのファンからブーイングを浴びたほどだった。
ボールを保持することで相手に隙を与えないサッカーをしようとしたオランダだったが、それでもビルドアップのミスからボールをアイスランドにプレゼントし、肝を冷やす場面が立ち上がり2度あった。
そして9分、センターバックのデ・フライが不必要なファウルで相手を倒し、PKをアイスランドにあっさり献上。プロになってからPKを止めたことがないことで知られるシレセンが、今回もアイスランドのシュートを止められず、0−1とビハインドを負った(ゴールは10分)。
失点のほとんどは個人のミス
42分にはアイスランドがコーナーキックの混戦から追加点を決め、試合を2−0で折り返した。ヒディンク監督になってから、オランダは常に前半をビハインドで終えている。
対イタリア 前半0−2 試合終了0−2
対チェコ 前半0−1 試合終了1−2
対カザフスタン 前半0−1 試合終了3−1
対アイスランド 前半0−2 試合終了0−2
しかも、失点のほとんどが、DF陣の個人的なミスによる。この4試合で喫した7失点のうち、後半許したのは1つだけだが、それも1−1で迎えたアディショナルタイム、ダリル・ヤンマートのバックパスがミスとなり、チェコに決勝点を贈ったもの。“ナイーブ(無知、おめでたいという意)”という言葉が本当に似合うチームにオランダはなってしまったのだ。