テニススクールの“聖地”にやってきた! シンガポールで憧れ体験レッスン

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コーチはさわやか系イケメンのレフティ

初級のラリーはまず続けること! コーンを狙って打っていきます 【写真:sabumasa】

 今回お邪魔したのは、一般の初級クラス。“一通りのショットを打てて、コーチ以外ともラリーが続けられる”レベルです。テニスのレベルは日本でもスクール初級。週1では何年経ってもそこから抜け出せないものですが、日本では、平日昼間のクラスはレベルが高いとよく聞きます。シンガポールではどうでしょうか? 

 しかし、上がりきったテンションのせいか、なんと日焼け止めをホテルに置いてきてしまいました。ただでさえ屋外でのテニスは久しぶりなのに、これまで体験したことのない熱帯気候下でのテニス。果たして最後までやり切ることができるのか……?

コーチを務めるイケメンレフティの平畑さん、目指せ名コーチ! 【写真:sabumasa】

 この日の生徒は自分を入れて6人。全員日本人です。ストレッチに続いて、ミニラリー、ラケットで一度ボールを受けてから2バウンド目で打つミニラリー、ボレーボレーと相手を変えながらアップ。続いて、コーチの球出しからの練習に入ります。ストロークに始まり、ストロークからのアプローチ、ボレー、スマッシュ、雁行陣でのポイント練習、締めくくりにサーブ……とこのあたりは国は変わってもやることは同じです。

 レッスンを担当するのは平畑賢伍コーチ。駒澤大学卒業後、そのままシンガポールにやってきて現在3年目というさわやか系イケメン。レフティです。生徒のレベルはさまざまで、週6テニスでもはや初級ではない猛者から、ようやくひと通りのショットを習い終えたぐらいの人もいました。そんな中、平畑コーチは、ネットの向こうからそれぞれのレベルに合ったアドバイスをどんどん出していきます。

言葉に表せない感慨が……

デュースサイドでボレー、アドサイドでスマッシュの練習。最後をきちんと返せるまで終わりません! 【写真:sabumasa】

 少人数での練習で休む間もなくボールを打っていると、自ずと自分の置かれている状況などすっかり頭から抜けてしまうものです。でも、一瞬の待ちの間にふとコートの外に目をやると、今までネットで幾度となく見てきた選手たちの写真と全く同じ光景が。自分は今シンガポールにいて、同じ場所でテニスをやっているんだ……と我に返り、言葉に表せない感慨が浮かんでくるのです。クロスのストローク練習では、集中と高揚の塩梅がよかったのか、日本では考えられないぐらいにミスなく長いラリーを続けることができました。
 シンガポールは数日間ほとんど雨も降らず、歩いているだけで汗が噴き出すほどの猛暑でしたが、その時は薄曇で、6階という高さもあって風を感じながら気持ちよくボールを打つことができました!

スクールは10ヶ所以下!? シンガポールのテニス事情

気さくに色んなお話をしてくださった越智ヘッドコーチ。アイスクリームごちそうさまでした! 【写真:sabumasa】

 さて。1時間半のレッスンを受けて疑問として感じたのは、コーチ・生徒含めて外国人を見ることはありませんでした。レッスン後、そのあたりについて、アカデミーのヘッドコーチで、チーム添田の一員でもある越智亘さんにお話を伺うことができました。

SANWA TENNIS ACADEMYは試行錯誤を繰り返しながら、開校15年目を迎える 【写真:sabumasa】

 テニススクールやコートに時間をかけて足を運ぶ日本のスタイルは、少なくともシンガポールでは考えられないもののようです。周辺の東南アジア各国のテニス事情も同様で、彼らにとってテニスとは、コンドミニアムに設備としてあるコートで仲間たちと興じるような、一部の人の嗜みごと。そこにコーチを呼んでテニスを教えてもらうんだそうです。

 東京23区と同じぐらいの広さといわれるシンガポールに存在するテニススクールは10カ所にも満たず、その大半が在住外国人による彼らのためのものとのこと。このアカデミーが始まったのは14年前。試行錯誤を経て、日本人スタッフによる日本語でテニスを習えるスクールとして、必然的に在住邦人(約3万人)をターゲットにしたものに絞られていったようです。
 その他、アジアを代表する先進国のひとつでありながら男女通じてプロテニス選手がひとりもいない現状、シンガポール特有のさまざまな教育事情など貴重なお話を伺うことができました。それらを聞いて感じたのは、一見、トップ選手たちとの深いつながりを持ちながら華やかに運営されているように見えるテニススクールの、一企業としての試行錯誤の姿でした。

 その日の夜、ホテルに帰る途中に、高層住宅の1階に2面の綺麗なテニスコートを見つけました。そこでテニスをしていたのは、シンガポールに最も多く住む中華系の男性2人。いでたちや髪型からしてホワイトカラーの人でしょうか。お世辞にもうまいとは言えず、伺ったばかりの越智さんの言葉を思い出しました。

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著者プロフィール

専門は映画ながら、映画への愛を取り戻すべく業界を離脱。趣味であるテニス観戦まっしぐら中だが、持ち前の球技オンチっぷりを発揮してやる方は永遠のスクール初級。走るのは得意。弓道弐段。なけなしの知識を駆使し、添田豪選手の応援ブログ『「もう一度。」添田豪を絶賛応援するブログ』を運営中

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