予想不可能!? 日本馬上位独占もある=奥野庸介の凱旋門賞展望

JRA-VAN

春までなら胸を張ってハープスターと言えたが…

やはり3歳牝馬にアドバンテージ、直前の調教でもハープスターは絶好の動きを見せている 【写真:代表撮影】

 日本勢は世界ランキング1位のジャスタウェイを筆頭にどれもが勝利を掴む能力を備えている。各馬に一長一短あり、当日の馬場状態や枠順、ペースなど絡み合う不確定要素が着順を左右するだろう。これを迎え撃つ欧州勢の層も厚い。争覇圏内に10頭以上がひしめく混戦模様は直前まで変わらないだろう。

 古牡馬より5kgも軽い54.5kgで出走できる3歳牝馬のアドバンテージは大きい。これに該当するのが日本のハープスターと英国のタグルーダ、それに地元フランスのアヴニールセルタンだ。3頭の力量比較は難しい。春までなら胸を張ってハープスターと言えたが、夏を越して欧州勢も追いついてきた。地元の利のあるアヴニールセルタンがわずかに有利とも考えていたが、主戦のブノワ騎手が3歳牡馬のエクトーを選んだことで横一線に戻った。ハープスターの理想は勝ち時計が2分28秒以内で決着する硬めの馬場での末脚勝負か。

仏3歳牡馬エクトーに勢い

6連勝で前哨戦を制したフランスの3歳馬エクトーの勢いには要注意だ 【photo by Yasufumi SAWADA】

 牝馬同様に3歳牡馬も高いレベルにある。前売りで1番人気になった独ダービー馬シーザムーンの電撃引退、英・愛ダービー馬オーストラリアと仏ダービー馬ザグレイギャッツビーの回避は残念だが、トライアルのニエル賞を差し切ったエクトーもこれらに遜色ない潜在能力を秘めている。デビュー戦以外、負けなしの6連勝中と勢いがあり、腕っ節の強いブノワ騎手向きの馬。折り合いは難しそうだが、後方一気がはまれば日本勢の強力なライバルになる。

1/2ページ

著者プロフィール

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント