錦織圭がダブルスで好発進 楽天ジャパンOP

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ダブルスを戦ういくつか理由

錦織見たさに約6000人ファンが集まった 【Getty Images Sport】

 凱旋(がいせん)の錦織圭(日清食品)が、まずダブルスで登場。平日の午前11時スタートにもかかわらず、センターコートには約6000人ファンが「時のプレーヤー」を一目見ようと集まった。

「(ロジャー・)フェデラーのときも、(ラファエル)ナダルのときもすごかったけれど、火曜日の午前中、第1試合にこれだけのお客さんが集まったのは初めてでしょう」と八田修孝広報担当ディレクター。

 内山靖崇(北日本物産)とのペアは、昨年のこの大会、今年2月のデビスカップ(デ杯)カナダ戦などで何度か経験しているが、立ち上がり、その内山がやや硬くなったのは仕方ないところだろう。
 第2ゲームのサービスゲームを落としたが、続くリターン・ゲームから錦織がしっかり建て直した。第5ゲームまで3連続でサービスブレークする一方で、錦織のサーブでは相手に1ポイントも与えずに第1セットを6−2で先行した。きれいなパッシングショット、豪快なオーバーヘッドなどのショットメーク、格の違いを見せつけるトップの貫録に、会場は歓声に包まれた。
 第2セットは先にブレークされる展開になったが、あっさりブレークバックして危なげない初戦突破だ。

内山とのペアで1回戦を突破 【Getty Images Sport】

「全米オープンの後は、心身ともに疲れをとることに専念していました。身体的に特に変わったところはないし、トレーニングなどにも特に変えたところはありません。アジア・シリーズの最初(クアラルンプール)でいいスタートを切れたので、楽天オープン、そして上海といい結果を残したいですね」

 ダブルスを戦うのは6月のハレ大会以来、今季ツアーでは3度目になり、それにはいくつか理由がある。なるべく日本でプレーしたいというサービス精神、さらには来年3月にカナダとの対戦が決まっているデ杯ワールドグループ1回戦への準備、しかし、最大の理由はサーフェスへの対応だ。
 優勝した前週のクアラルンプール大会は4度目の出場だったがサーフェスは「まるで止まっているかと思うほど」遅く、有明の速いサーフェスに慣れるために、ダブルスで感触を取り戻そうという意図だ。前日も、帰国早々、コートに立っている。それだけ、楽天オープンをはじめとしたアジア・シリーズに懸けており、その理由もまた明白。
「現在の(ツアーファイナルの)ランキングは6位ですが、このアジアで結果を残して、ロンドンのツアーファイナル出場権を確定させたい。昨年は、ちょっと届かなかったので今年はぜひ……」
 錦織にとって、全米オープンで今シーズンが終わったわけではない。今季のツアー成績の上位8選手によるツアーファイナルへの出場という念願が残っている。

この日のハイライトは伊藤竜馬

伊藤竜馬はワウリンカにストレート勝ち 【Getty Images Sport】

 大会第3日にはいよいよ、シングルスに登場する。初戦のイバン・ドディグ(クロアチア)を突破すれば、2回戦の相手は添田豪(GODAIテニスカレッジ)とドナルド・ヤング(米国)の勝者。その試合を、マイケル・チャン、ダンテ・ボッティーニの両コーチがしっかり偵察していた。

 添田はヤングにストレートで敗れたが、この日のハイライトは、第3試合に登場した伊藤竜馬(北日本物産)だった。第1シードのスタン・ワウリンカ(スイス)に7−5、6−2のストレート勝ち。2012年の全仏オープン1回戦でアンディ・マレー(イギリス)と対戦しているが、トップ5を倒したのは初めてだ。

伊藤「攻撃的な姿勢で最後までプレーできたのが勝因」 【Getty Images Sport】

「たとえ第1シードでも同じプレーヤーだという気持ちでコートに立った。攻撃的な姿勢で最後までプレーできたのが勝因だと思う」

 第1セットの第3ゲームを先にブレーク。第8ゲームに追いつかれたものの、5−5から再びサービスブレークし、このリードを守り切った。大きかったのは第2セットの入り方だ。攻めの姿勢を崩さず、第1ゲームをサービスブレークして流れをつないだ。第3ゲームでは40−0から40−40まで持ち込み、さらに第6ゲームのサービスゲームでも15−40の窮地を乗り切っている。次に対戦するベンジャミン・ベッカー(ドイツ)には昨年の上海大会の予選で勝っている。

(文:武田薫)
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