守屋、ダニエル太郎は初戦敗退 テニス楽天ジャパンオープンが開幕
『錦織効果』で若手も張り切る
楽天ジャパン・オープン シングルス1回戦でスティーブ・ジョンソンに敗れた守屋宏紀=有明テニスの森公園 【共同】
錦織の活躍が今大会の最大の注目であることは確かだが、若手選手も時の勢いに乗ろうと張り切っている。まずは23歳の守屋宏紀(北日本物産)がセンターコートの第1試合に登場。2年前、初挑戦の全米オープンで予選を突破した守屋は、今季はツアーレベルでの予選突破はこれが初めて。『錦織効果』の第1弾と言っていいだろう。
ただ、対戦相手のスティーブ・ジョンソンも米国期待の若手の一人。南カリフォルニア大学で4年間プレーし、本格的なツアー参加が2シーズン目の今季、世界ランクを46位まで上げた。全米大学選手権4連覇、72連勝をマークした武器はサーブだ。この日も、パワーからスピンサーブを巧みに配して守屋の攻撃をかわした。
守屋にとって惜しかったのは第1セットの詰めだ。5−3までリードしながらタイブレークに持ち込まれ、セットを落とした。第2セット、最初のサービスゲームを落としたのが致命的で、第2ゲーム、5度のデュースで挽回しようとしたが、余裕を持たれてあと1本の場面でサーブを決められ初戦敗退となった。
ダニエル太郎は接戦を落とす
楽天ジャパン・オープン シングルス1回戦でデニス・イストミンに敗れたダニエル太郎=有明テニスの森公園 【共同】
この日の相手はダブルス巧者でもあるデニス・イスタミン(ウズベキスタン)。ダニエルの懐の深いストローク、大人びたプレー。ランキングでは157位のワイルドカード出場となり、同55位のイスタミンとは差があるが、競りに競った。
第1セットを6−7で奪われるも、第2セットを7−6で奪取。スペインのクレーコート育ちという環境のせいもあるだろう。ゆったりと粘り強いプレーをする。ファイナルセットは先にブレークし5−3からのリターンゲームでマッチポイントを迎えた。しかし、そこから守備的になった。5−4からのサービスゲームでたちまち0−40とされて逆転を許した。もう少し時間が必要なようだ。
今年の楽天オープンには、錦織のライバル、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)のほかにもジョー・ウィルフリード・ツォンガ、ジル・シモン(ともにフランス)といったショーマンシップあふれる楽しい選手がそろった。その中で密かに期待されていたのが、第2試合に登場したドミニク・ティエム(オーストリア)だ。今月3日に21歳になったばかり。錦織圭より4歳年下の新鋭は今年になって一気に浮上し、先の全米オープンでは4回戦まで勝ち上がり、世界ランクが昨年末の139位から現在は40位。片手打ちバックハンドから強烈なショットを広角に放って、203センチのケビン・アンダーソン(南アフリカ)を振り回したが、アンダーソンは今季、4大大会で3度4回戦まで進んでおり、安定感は十分。ティエムがいずれも先行しながら逆転されストレートで敗れた。
男子ツアーのアジア・シリーズは、シーズン終盤なだけに選手のモチベーションに差がある。第2シードのダビド・フェレール(スペイン)、トリッキーなテニスで人気のある第8シードのアレクサンダー・ドルゴポロフ(ウクライナ)が敗れるという、波乱の多い初日になった。
(文:武田薫)
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