世界を射抜け! 日の丸3本の矢!!!=異色3タイプで凱旋門賞制覇が見えた

JRA-VAN

“恵量”ハープスター末脚生きる

ハープスターは54.5キロの“恵量”を最大限に生かしたい 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 エルコンドルパサー、ディープインパクト、オルフェーヴルなど、その時代の最強馬と謳われ、日本競馬史上に名を残した名馬たちが海を渡り、世界最高峰の凱旋門賞へ挑戦し続けてきたが、あと少しの所で勝利の2文字に迫りつつも、掴むことができずに苦汁をなめてきた。そんな流れの日本馬だったが、今年の日本代表3頭は例年とは違うパターンのメンバー構成。それぞれの世代で実績を重ね、各々が異なる利点を持った面々が顔を揃えた。

 まず、日本の3歳牝馬として初の凱旋門賞挑戦となる“天才少女”ハープスター(牝3=栗東・松田博厩舎)。凱旋門賞における3歳牝馬は古馬牡馬との斤量差が5.0kgもあることから、その恩恵を受けて、毎年必ずと言っていいほど上位争いをしている。オルフェーヴルも3歳牝馬に足元をすくわれたパターンだった。ただ、今回は逆にハープスターが斤量の恩恵を受けることができるのだからなんとも心強い。ただでさえ強烈な追い込みが武器なのに加えて、軽い斤量ならば直線での末脚がさらに生き、チャンスはさらに拡大する。

 初の海外遠征で世界の一線級との対戦など未知な部分も多いが、前走の札幌記念を見る限りでは、それは愚考と言っても過言でない。札幌記念ではいつものように直線一気の末脚勝負に拘らず、後方待機策から徐々にポジションを上げて、直線では早めに抜け出す競馬を披露。そして、後続を引き離してゴールドシップ以下を完封した。明らかに本番を意識した戦法であり、ハープスターの潜在能力の高さと新たな可能性を存分に感じられる内容だった。あとは順調に調整が進められることを願うだけだ。

ジャスタウェイ揺ぎない世界王者へ

ジャスタウェイは福永騎手の手綱にも注目 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 日本馬として初めてIFHAの世界ランキング単独1位の座に就いたジャスタウェイ(牡5=栗東・須貝厩舎)も当然のように期待度は高い。ドバイDFで見せた圧倒的な勝利は未だに色あせることなく、世界中のホースマンたちの間で話題に上がっている。昨秋の天皇賞から飛躍的に能力が上がり、連勝街道を走り続けるジャスタウェイ。その要因の一つとして、主戦を務める福永祐一騎手の騎乗スタイルが挙げられる。本人曰く、詳しいことは企業秘密ということだが、ジャスタウェイの走り方と自らの騎乗フォームを分析し、乗り方に変化をつけるようになってから効果が表れ、現在の強いジャスタウェイの走りへとつながったという。

 英国・大手ブックメーカーは1600〜2000mを得意としているジャスタウェイにとって2400mは長いということで世界ランキング1位とはいえ3、4番人気の評価をしているが、この福永騎手の乗り方の工夫によって、それをも十分に克服できるだろう。ここで、さらなる結果を残して揺るぎない世界王者を目指して欲しい。

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