越川優が探求する「日本代表で戦う意味」 勝利を使命づけられた3度目のアジア大会
世界との差を埋めるべく基礎から見直し
2月に就任した南部新監督(写真)がキャプテンに任命したのが越川だった 【坂本清】
「彼が積み重ねてきた経験は、他の選手にない、貴重なもの。世界と戦う集団になるために必要なことを、キャプテンとして伝えてほしいし、それができる選手だと信じています」
現役大学生の山内晶大(愛知学院大)など、ようやく新戦力も加わり、5〜6月のワールドリーグに出場。越川自身もプレー面だけでなく、代表選手として戦う覚悟や責任など、若い選手に説いてきたが、結果は1勝11敗。今後につながる手応えよりも、まず思い知らされたのは、これまで以上に広がった、世界との差。
南部監督も「想像はしていたが、これを埋めるのは容易ではない。体力面、技術面共に基礎から見直さなければダメ」と課題を提示し、実際に鹿児島や東京での合宿時も基礎力の向上に努めてきた。
山内以外にも、柳田将大(慶應大)、石川祐希(中央大)など現役大学生が3人、日本代表に選出され、セッターの内山正平(豊田合成)といった新戦力、さらに越川と同世代で抜群の安定感を誇る米山裕太(東レ)など、ワールドリーグとは異なる布陣で今夏はフランス、チェコ、ブラジルへの1カ月に及ぶ合宿を敢行。大学生の3人にとって、これらの経験も貴重な糧となっていることに加え、チームとしても「自分たちの形が見えてきた。選手一人一人の戦術達成度もレベルアップしてきた」と、越川も手応えを感じている。
「目標はアジアナンバーワンの奪還」
なかなか結果を出せずにいる男子バレー界にとって、勝つことは目標ではなく使命だ。
4年前の中国・広州大会では日本が優勝しているとはいえ、もはや過去のこと。各国の強化体勢は目まぐるしく変化し、アジアの強豪だけでなく世界の強豪へと進化したイランや、地元開催で力を注ぐ韓国、大型化を図りチーム強化に努めてきた中国、さらにカザフスタンやインドなど、強敵がズラリと顔をそろえる。
その中で、どう戦うのか。
「昨年のアジア選手権では4位でしたが、監督もメンバーも変わり、今年1年のチームとしての成長を見せたい。リオデジャネイロ五輪につなげるためにも、目標はアジアナンバーワンを奪還し、金メダルを取ることです」
2年後だけでなく、6年後の東京五輪、そして、男子バレーの未来へ向けて。
越川にとって3度目のアジア大会。負けられない戦いが、幕を開ける。
<了>
アジア大会2014韓国仁川
アジアナンバー1の座をかけて4年に1度開催されるアジア大会。TBS系列ではゴールデンタイム生放送で大会の模様を視聴者の皆様にお届けします!
番組公式サイトでは、放送予定や日本代表出場選手一覧やニュース・結果のほか、動画で大会ハイライトなどを展開中。こちらもお楽しみください。