メイウェザーが語るパッキャオ戦の可能性=マイダナとの再戦が凡戦で追い風に!?
興行成績次第では求められるより上質なイベント
興行成績次第では、近未来にメイウェザーとパッキャオとのドリームマッチの実現があるかもしれない 【写真:AFLO】
答えは依然として、長く“戦わざるライバル”であり続けて来たフィリピンの英雄、パッキャオに違いないのである。
「フロイドは誰とでも戦うよ。これまでもそうだったし、来年も同じだ。(パッキャオ戦実現には)いろいろな障害があるけど、乗り越えれば良い」
マイダナ戦後には、メイウェザー・プロモーションの重役であるレナード・エラーベー氏もそう語っていた。リング上でのメイウェザー本人の発言も含め、陣営が公の場でパッキャオ戦にこれほど前向きな言葉を残したのは初めてだったかもしれない。だとすれば……!?
パッキャオ戦は「実現するときはするけど…」
最終会見でのメイウェザーは、“最終決戦”に向けて前向きとは言い難いいつも通りの姿勢に戻っていた。依然としてゴーサインが出る可能性が高いとは思えず、現実的には次戦の相手の最有力候補はイギリスの雄、アミア・カーンだろう。ただ、今回の興行成績がすべて弾き出され、自身のマーケット価値の下落を認識したとき、メイウェザーも改めて考えるところはあるかもしれない。
メイウェザー対パッキャオ戦は、もはや最強王者同士の決戦ではない。“ボクシング界のスーパーボウル”とは言えず、それよりも“キャリア晩年を迎えた2人の英雄の最後の大稼ぎマッチ”に近いのだろう。ただそれでも、戦わないままよりは実現した方がいい。
マイダナとのリマッチがさまざまな意味で盛り上がりに欠けたことが、近未来のドリームマッチへの追い風になるとすれば少々皮肉ではある。ただ、もともとピークの選手同士の直接対決がまとまりづらいのがボクシングビジネス。“幻の一戦”を行なうには、流れ落ちる砂時計の砂が残り少なくなった今こそが、実は最後にして最高のタイミングなのかもしれない。