アギーレ「妥当なドローに終わった」=国際親善試合 ベネズエラ戦後会見
ベネズエラ戦の結果を「妥当なドロー」と評したアギーレ監督 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】
日本は5日のウルグアイ戦から先発を5人入れ替え、柴崎岳や大迫勇也らを起用した。前半はスコアレスで終えたものの、後半に入ると6分に途中出場の武藤嘉紀が代表初ゴールを決めて先制。その後、PKで同点に追いつかれたが、21分には柴崎の代表初ゴールで突き放した。しかし、26分にGK川島永嗣のミスで再び追いつかれ、試合は結局2−2のドローに終わった。
初勝利を逃した日本代表のハビエル・アギーレ監督は、この結果について「妥当なドロー」とコメント。そして「選手個々を見て、満足がいくところもあった。いい素材がそろっているので、あとはチームとしてまとめるための時間が必要」と、自身の見解を示した。
「チームとしてまとめるための時間が必要」
アギーレ監督は「チームをまとめるための時間が必要」と、現状を分析した 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
――この1週間を振り返って、第一段階の成果はどうか。今日の試合に関して、トレーニングでやったことを忠実に表現できたことを、どう評価するか?
1週間の短いトレーニングの間、日本人選手に対して私が指導した部分もあったが、それ以外にも自由にプレーしてほしいと試合前に伝えた。ピッチ上では、選手たちが判断を下さないといけない。私は選手たちにアイデアを与える。それを発展、展開させるのは選手たちの判断だ。選手個々を見て、満足がいくところもあった。いい素材がそろっているので、あとはチームとしてまとめるための時間が必要だ。
――この2試合では、選手だけでなくシステムもテストした。フォーメーションに関しても手応えを得られたか。それともまだテストはまだ続くのか?
こういった試合では、どのシステムが日本にとって最適なのかを見ていきたい。同時に選手たちも見ている。1戦目と2戦目を比較するなら、2戦目で良くなった。そして成長し続けたいと思っている。
――仕事をしないといけないと言っていたが、具体的には?(大住良之/フリーランス)
まず、より堅い守備ができないといけない。守備であまり運が味方してくれなかった。2試合で4失点は多すぎると思う。そしてボールを持ったときは、もっと早く回さないといけない。ボールを持った選手に、もっとオプションを与えないといけない。これは始まったばかりで、練習も5〜6回しかしていない。こういうことが起こるのは自然だと思う。
「スタイルはあまり重視していない」
まず、どういうスタイルを求めるかといえば、上位に行けるスタイルだ。素晴らしいスタイルだと言われても、(FIFA)ランキング44位(2014年8月に発表された日本の順位)だったりすれば、あまり良いと言われないスタイルでも20位以内に行きたい。だからスタイルはあまり重視していない。重要なのは、良いプレーをして、勝って、上に行くことだ。スタイルではないが、日本人選手の特徴を聞かれれば、スピードがあること。そのスピードをどう生かすかを考えないといけない。2試合でスタイルを作ることはできない。この日本代表のスタイルは確立されていない。世界中のどの監督に任せても、5試合でスタイルを確立することは難しい。それも自然なことだ。
――ロングボールについては?(田村修一/フリーランス)
長いボール、短いボール、どちらもサッカーの一部だ。ロングボールを強調する質問の意図が分からない。高いボールは禁止されているのか? 高いボールもサッカーの一部だ。もしかしたら、そういったプレーは嫌いなのかもしれないが(笑)。
――先ほど、アイデアを与えてピッチ上で発展させるのが選手と言っていたが、日本人選手は形にはめてプレーするのは得意でも、アイデアを発展させたり自分の判断でプレーするのは苦手とされている。この2試合を通じて、選手がピッチ上で監督のアイデアを発展させる能力があると感じたか? また今日のような試合では、日本が勝ち切る力が課題となっている。これからどういうことが必要だと思うか?
私は日本人に、その枠から飛び出して、自分のプレーをしてほしいとリクエストした。自由にプレーしたくない選手はいないと思いたい。ある形を選手には与えるが、それを発展させるのは選手の自由だ。これはチェスやコンピューターゲームのように「このようにやらないといけない」というものはない。ピッチ上で、人間がプレーを発明しながら、考えながらやっていくものだ。ピッチの中で考えて、判断することを選手に強く要求する。2−1の状況で、われわれのシュートがポストに当たり、追いつかれたという不運な試合だったが、私はこの結果は妥当だと思っている。