錦織、今後に自信「めげずにやれた」=全米オープン決勝後・一問一答

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優勝こそならなかったが、決勝まで勝ち進み自信を口にした錦織 【写真は共同】

 米国・ニューヨークで開催されていたシーズン最後のグランドスラム「全米オープンテニス」。大会最終日は、“日本のエース”錦織圭(日清食品)がアジア男子として初のグランドスラム決勝の舞台に立った。第14シードのマリン・チリッチ(クロアチア)と対戦したが、3−6、3−6、3−6のストレートで敗れた。初優勝こそ逃したものの大会を通して成長し、グランドスラム準優勝という快挙を成し遂げた。

 試合を終えた錦織が決勝、そして大会を振り返った。

「感覚がつかめないまま終わってしまった」

――(決勝は)緊張するだろうと話していましたが、試合中の心境はどうでしたか?

 緊張もそうですし、気持ちが高ぶるのを昨日からなかなか抑えられなかったので、今日の試合に入るのも容易ではなかったですし、やはり決勝という舞台で力が出せなかったのは非常に悔しいですね。

――ランキングが上の選手が相手だったら、また変わっていたと思いますか?

 少しあると思いますね。相手がチリッチで、得意ではないですけれど何回も勝っている相手でした。なので、より考える部分は増えたと思いますし、勝てるというのが少し見えたのもあまりよくなかったし、集中できなかった理由の一つでもあると思います。ここまで硬くなったのは久しぶりで、試合に入り込めなかったですね。(4回戦で対戦したミロシュ・)ラオニッチだったり、(準々決勝のスタン・)ワウリンカの時は、2セット目から立て直していつものプレーに持ってくることができましたけれど、今日はほとんど最後まで、なかなか感覚がつかめないまま終わってしまいました。

――硬くなったとおっしゃいましたが、動きの部分ですか?

 動きが一番で、速い動きになかなか(体が)ついてこなかった。ちょっとした差ですね、アンフォーストエラーが非常に増えてしまったので。この何試合かは(ボールが)入っていたのが(決勝では)入らなくなって、自信をどんどん自分で下げていってしまったので、ずっと迷走している感じでした。

――ブレークされたところから押し返す力が出てくることはありましたか? チリッチが思ったよりもよすぎたというのもあったのでしょうか?

 そうですね、常にまったく先が見えない試合で、どのセットも先にブレークされて。彼の球も鋭く、角度もあって深かったので、攻めようにも攻められないし、ミスもしてしまったり、なかなか突破口が見つからなかったですね。

勝利への重圧を自ら作ってしまった

――コートに出た時の感覚はいかがでしたか?

 そこまで悪くはなかったですけれど、長いラリーになると足がついてこなかったり、前のようには完璧に動けませんでした。そんな中でも勝ってきたのがこの何試合かだったので、それでも奮い立たせてやろうと思いました。だけど、それ以前に彼のテニスのよさになかなかつけ込めなかったので、自分のテニスもどんどん悪い方向に向いてしまい、全部が重なってこういう結果になったと思います。

――自分が目指すべきテニスや、その場所に近づいている実感は?

 近づいているのは格段に感じています。一番の自信になるのは、ワウリンカ、ラオニッチもそうですけれど、ノバック(・ジョコビッチ)に競り勝つことができたこと。自分が無理をしないテニスでも、トップの選手に勝つことができたので。

 こうやって2週間、戦うことができて、一番ビックリしているのは、夢の世界だったベスト4、決勝(に進めた)という体力面です。自分がどれだけやれば、決勝に行ける体力ができるのかなと思っていたのが、こうやって実現できて、そんなに問題もなく、5セットマッチを2回やって、(ジョコビッチ戦で)4セットをやって、それでもこうやって試合ができているというのはすごく自信になるので、ケガを恐れず、これからもやっていきたいです。
 
――チリッチと戦うにあたって、難しいと感じたところはどこですか? また、実際に対戦相手がチリッチに決まった時、どんな気持ちだったのか教えてください。

 長いラリー戦になった時に勝てなかったというのは以前は違ったし、速い展開でいかないといけないのに、なかなか踏み込んでいけなかったので、それだけ彼のディフェンスがよかったり、彼のサービスゲームでなかなかチャンスを作れなかったのが、リズムを作れなかった原因でもあると思います。正直、(ロジャー・)フェデラーの方がやりやすかったかもしれませんね、気持ち的には。やはり勝たないといけないというプレッシャーも自分の中で作ってしまっていたので、気持ち的には少し重くしてしまったところがあったかもしれません。

――ここ何試合かは、先行されても後々追い上げていきましたが、今回、それが許されない展開になってしまったのは、チリッチが今までの相手より力があるということでしょうか?

 彼もよかったし、強くなっていますが、それ以前に自分が試合に入り込めなかったというのが、一番の原因だと思います。それでもなんとか盛り返してきたのが、過去の何試合かだったので。ファーストサーブが入らなかったり、自分のサービスゲームにプレッシャーがかかってきて、先にブレークされて、今日は自分の方に大きな原因があったのかもしれません。

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