アギーレ「経験とミスが違いを生んだ」 国際親善試合 ウルグアイ戦後会見

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アギーレ監督はウルグアイ戦の敗因を「経験とミスが違いを生んだ」と振り返った 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 サッカー日本代表は5日、北海道・札幌ドームで国際親善試合ウルグアイ代表戦に臨み、0−2で敗れた。

 アギーレジャパン注目の初陣は4−3−3。代表初招集の坂井達弥がセンターバック(CB)として先発出場。中盤には本来CBの森重真人がアンカーに入り、その前に細貝萌と田中順也が並んだ。前線には右に本田圭佑、左に岡崎慎司、最前線にはこちらも代表初招集となった皆川佑介が入る布陣で挑んだ。この試合、日本はディフェンス面で犯した2つのミスが失点につながっており、前半34分にエディンソン・カバーニ、後半25分にはアベル・エルナンデスにそれぞれゴールを奪われている。攻撃面では、前半に皆川、後半に武藤嘉紀が惜しいチャンスを迎えたものの、無得点に終わっている。

 試合後、アギーレ監督は「向こうの経験、そしてこちらのミスが違いを生んだのだ」とコメント。試合の収穫として「チームが戦っていたこと。負ける気持ちになる場面がなかったこと。失点が2つあったが、落ち込むこともなかった」と話している。

 また、「本田、(川島)永嗣、(吉田)麻也の3人がキャプテン」と話し、この試合で本田がキャプテンマークを巻いた理由として、「GKはレフェリーから遠いというのがひとつ。そして経験、年齢を考慮すれば、今日は麻也ではなく本田かなと思った」と明かしている。

収穫はチームが戦っていたこと

 両チームとも戦ったゲームだったが、ディフェンスで2つの大きなミスをしたため、今日のカップを失うことになってしまった、両チームともゴールのチャンスが多かったとは言えない。しかしビッグチームと対戦して、そこから何かを学ぼうとするならば、ミスからも学ばなければならない。火曜日(9日)にベネズエラ戦もあるので、前を向いていきたい。ウルグアイのようなビッグチームの前でミスを犯せばやられてしまう。向こうの経験、そしてこちらのミスが違いを生んだのだと思う。日本代表は非常に若いチームで、今日は4人の選手がデビューした。こうした結果になったが、満足している部分もある。もちろん、これからも仕事をしていかないといけない。

――満足している部分とは具体的にどういった部分を収穫と感じているのか?

 チームが戦っていたこと。負ける気持ちになる場面がなかったこと。失点が2つあったが、落ち込むこともなかった。そして選手個人でも良かった点があったと思うが、それは選手にまず伝えたい。

――新しい布陣、新しい選手ということで、ぎこちない部分もあったと思うが、選手たちの適応力については満足したか?

 昨日も言ったが、(実質)3回のトレーニングでウルグアイと対戦するのは楽ではない。世界のベスト8、ベスト10にウルグアイは含まれる。そうしたチームと対戦して学ばなければいけない試合だった。彼らと同じレベルで対戦するなら、しっかり学んで努力しなければならない。ただゴールをプレゼントするだけではいけない。ああいったミスは避けなければならない。

――ミスと経験の差が勝敗を分けたが攻撃面の評価はどうか。今後も本田がキャプテンを務めるのか?(小谷紘友/サッカーキング)

 この試合の結果を分けたのは、先ほど言ったように経験とミスだった。攻撃では相手より多くのCKを得たし、FKもこちらが多かった。シュートもあった。皆川がフリーでヘディングシュートして、ふかしてしまうおしい場面もあったので、攻撃には失望していない。そこもまだまだ練習しなければならない部分だ。選手たちに伝えたのは、本田、(川島)永嗣、(吉田)麻也の3人がキャプテンであり、キャプテンマークを付けるのは本田ということだ。

ウルグアイと日本との差は、得点の差でしかない

――後半に4−3−3からシステムを変えたが、どちらが気に入ったか?(大住良之/フリーランス)

 相手にリードされているという状況もあり、本田を守備に回すのを少なくするためのシステム変更だった。より前で、よりフリーでプレーさせるという意図があった。選手たちはすぐに順応し、森重もすぐに自分の役割を把握していた。その形でウルグアイより下回っていたとは思わない。ウルグアイと日本との差は、得点の差でしかない。

――本田のキャプテン起用について、彼にキャプテンマークを任せた理由は? また森重をアンカーで起用した理由は?

 本田にキャプテンマークを付けさせた理由だが、GKはレフェリーから遠いというのがひとつ。そして経験、年齢を考慮すれば、今日は麻也ではなく本田かなと思った。森重は3バックの真ん中で非常によかったと思う。その後、守備的MFの形でプレーしたが、走る距離が長かったので少し消耗してしまった。

――代表デビューした武藤の評価と、今後どのようなところを引き出したいか?

 武藤の試合は2試合、スタジアムで視察した。非常に若い選手だが、恐れなくプレーしたのがよかった。そして本日、彼にとって素晴らしいキャリアとなった。

――歴代の日本代表監督は、初戦は準備期間のない中で勝っている。今日、負けたことにわれわれは失望しているが?

 それで質問はなにか?

――負けたことに対してどう思うか?

 それに関してはすでに話したと思う。

ボールがないときに集中が切れていた選手がいた

――「代表監督は試しながら勝利を目指す」と言っていたが、今日はそれをどれくらい達成できたのか。それから試合前に、選手にどのような声をかけたのか?

 日本代表であることは誇りであると伝えた。彼らの後ろには、後押ししている国民がいる。「このユニホームの名誉のために、どのような相手に対しても戦わないといけない」と話した。今日はチーム全体よりも、選手個々を見たほうがより満足することができた。いくつかのことを試したが、勝つことはできなかった。昨年も、ウルグアイは日本に4−2で勝っている。それは3年間、一緒にやってきたチームだった。今回は、3回しか練習していないチームだ。ただし、どんな状況であっても、ウルグアイはウルグアイだった。

――個々の選手の動き、特にボールのない動きを注目したいと言っていたが、それに関して日本の選手のクオリティーをどう評価するか(田村修一/フリーランス)

 ボールがないときに、少し集中が切れていた選手が何人かいた。だが全体を見ると、ボールがないときもしっかりゲームに参加する姿が見られた。そういった意味では満足している。あとはボールを持ったときに、もっと速く動かす必要があると思う。モビリティー(流動性)の部分で。それも努力、練習で培っていくものだ。

――今日の試合を見ていて、最終ラインから前に長いボールを蹴るシーンが目立っていた。今までの代表だと、もう少しパスをつないでいたが、あれは監督の意図どおりだったのか?(後藤健生/フリーランス)

 相手チームのプレッシャーがかかっている状況で余計なプレーをしてはいけない。皆川が前にいるので、プレッシャーのかかっている状況ではそこに入れるようにした。それと毎回、同じプレーすると相手に読まれることもある。だからつなぐ場面と長いボールの場面、両方あった試合だったと思っている。

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