君島良夫が体感した「豪州のラグビー」 本人による海外挑戦リポート
オーストラリアの強豪、ランドウィックでプレーしている君島 【写真提供:君島良夫】
7/28(月)「街を歩けば声をかけられる」
オーストラリアのクラブラグビーは、多くがアマチュア選手である。日中は仕事をしていたり、大学に通ってる選手がほとんどだ。仕事や学業の合間に、それぞれ自分でトレーニングをして、夕方のチーム練習に参加する。試合で活躍してプロ契約することを夢見る選手もいれば、仕事の合間を縫って練習や試合に出るという選手も在籍している。
クラブチームは地域に強く密着していて、その地域の企業や店がスポンサーとなってチームが運営されている。チームウエアを着て街を歩くと、多くの人が温かく声をかけてくれる。
「先週の試合は良かったね」「次はどこと対戦するの?」「応援してるよ」
夕方の公園では、子供たちがみな楕円球を追いかけていて、丸いボールを見ることは珍しい。それも、ラグビー文化が深く根付いたオーストラリアならではの光景である。
この国でラグビーができることが心から幸せだと感じている。
7/29(火)「オーストラリアの食生活」
公園には楕円球を手にした子供たちが集まる 【写真提供:君島良夫】
今週末からいよいよファイナルシリーズなので、チームの士気も一段と高い。良い練習ができている。
今日は食生活について。オーストラリアと聞いて思い浮かぶのは、やはりオージービーフやフィッシュ&チップスなど、とにかくヘビーなイメージだが、実情はそうでもない。和食はじめヘルシーなアジア料理などが好まれ、人々の健康への意識はとても高い。
オーストラリアに来て約2カ月、家にいる時はなるべく自分で作って食べるよう心がけている。アスリートにとって食事はとても重要だが、日本にいる頃はチームの栄養士のもと、管理された食事を摂ることが当たり前だったこともあり、自炊する機会もなかったので全くのビギナーである。言うまでもないが、日本の食事がやはり何より一番おいしい。自炊生活、日々奮闘中。
7/30(水)「海外に挑戦する意味」
若い時期に海外のラグビーを肌で感じることは大きな財産になる 【写真提供:君島良夫】
若いうちに世界のラグビーに触れることはとても良いことだ。桁違いに大きな選手やパワーのある選手が世界にはたくさんいるということを、肌で感じることは大きな経験になる。
ランドウィックにも、世界各国から選手が集まっている。ニュージーランド、ヨーロッパ、ポリネシア諸国、南米など、国境を越えてオーストラリアで挑戦する選手は多い。日本では、海外に挑戦するケースはまだあまり多く見られない。島国であることや言語の問題があるかもしれないが、活躍のチャンスは大いにある。
日本代表が世界ランキング10位に入り、「スーパーラグビー」で活躍する日本人選手が増えてきているように、世界のトップレベルとの差は近づいてきている。
特に若い世代には、世界に目を向けて、大学選手権やトップリーグよりも、さらに大きなところを目標にして羽ばたいてもらいたい。