君島良夫が体感した「豪州のラグビー」 本人による海外挑戦リポート
7/31(木)「ラグビーファンを増やすヒント」
練習や試合の後はチームで食事を楽しむ 【写真提供:君島良夫】
毎週木曜日は「BBQ Day」。チームのOBやボランティアスタッフが集まり、練習後の選手たちにBBQを振る舞ってくれるというものである。ビールを片手にラグビーの話や笑い話をして、チームの結束をさらに深める。BBQの本場、オーストラリアらしい素晴らしい文化だ。
また試合後のファンクションには、選手やスタッフのみならず、サポーターや地域の子供たちも、自由に参加できることが魅力だ。スタジアム備え付けのバーに集まり、選手とファンが交流する。生バンドの演奏や、選手によるチーム対抗早飲み対決など、多くの人が楽しめる内容になっている。
日本でも、ファン拡大のために各チームがさまざまな施策を進めているが、外から見るとまだまだ閉鎖的なスポーツだと感じざるを得ない。オーストラリアのアフターマッチファンクションの文化は、日本ラグビーファン拡大のひとつのヒントになるのではないかと感じている。
8/1(金)「日豪のラグビーの違い」
スーパーラグビー決勝を観戦。忘れられない一夜となった 【写真提供:君島良夫】
今日は日豪のラグビーの違いについて話をしたいと思う。言うまでもなく、一人一人の体の大きさ、コンタクトプレーの激しさは日本よりも上だと感じる。日本ではブレイク(突破)できるわずかなギャップを突いても腕一本で阻まれたり、フィジカル面での差は身をもって実感することができる。
逆にスピードや俊敏性、ハンドリングスキルなどのテクニカルな部分では、日本の選手に分があるかもしれない。まさに今エディージャパンが、クイックテンポでパスを多用したラグビーで世界の強豪と渡り合えるようになったことも納得できる。
8/2(土)「スーパーラグビー決勝で同僚が活躍」
スーパーラグビー優勝に貢献したスティーブン・ホイルズ(左) 【写真提供:君島良夫】
そして夜はスーパーラグビーのファイナル。幸運にも友人の好意でチケットを用意してもらい、ANZスタジアムへ。6万人以上の大歓声の中、ホームのNSWワラタスが初優勝を飾った。この歴史的瞬間に立ち会えたことは一生忘れることはできないだろう。
その中でもランドウィックのチームメイトとしてともにトレーニングをしてきた6番のスティーブン・ホイルズの活躍はとてもうれしかった。地味ながら彼の活躍なくしては優勝はなかっただろう。惜しみない運動量とワークレートでワラタスの初優勝に貢献した。心から祝福したい。
シドニーの市街地はワラタスの水色のジャージーを着た人々でお祭り騒ぎ。心からワラタスを、そしてラグビーを愛しているシドニーの人々。見ているだけでも幸せな気持ちにさせられる、そんな一夜だった。
8/3(日)「豪州での試合出場が大きな経験に」
日本とオーストラリアのラグビーの違いを肌で感じている 【写真提供:君島良夫】
当初目標としていたシュート・シールド(ファーストグレードによるクラブ選手権)への出場は残念ながら叶わなかったが、2nd/3rd GradeのSOやFB(フルバック)として、ほとんどの試合に出場することができたことは、私自身にとって、とても大きな経験になったと思う。
また、こうしてこの経験をコラムとして日本の若い選手や指導者、ファンの皆さんに発信できることに心から感謝したい。