ラグビー日本代表に加わる「新戦力」 エディーHCは小瀧の成長を評価
来年のW杯に向けて競争激化
エディージャパンの恒例となった菅平合宿。来年のW杯に向けて厳しいトレーニングを行った 【斉藤健仁】
来年のラグビーワールドカップ(W杯)を踏まえた強化であるとともに、11月に日本で対戦する、ニュージーランド(NZ)の先住民族の血を引く選手で構成されたマオリ・オールブラックスとの試合などに向けた強化合宿だった。
「マオリ・オールブラックスは、世界ランキング6〜7位に匹敵するチーム。アンストラクチャー(ターンオーバーやカウンターのような崩れた局面)からの攻撃を好むので、彼らと対戦するときはより、ストラクチャー(セットプレーからの攻撃)を重視した試合をすることです」(ジョーンズHC)
小野の復帰で「司令塔争い」が過熱
小野(左)はエディーHC(右)との面談を経て、日本代表に復帰した 【斉藤健仁】
「家庭の事情」で離れていた小野は言う。「結婚など向こう(NZ)でいろいろありましたが、リフレッシュすることができました。サントリーで良いプレーをしてから再チャレンジしようと思っていました」。だが、「どのポジションも3人くらい良い選手が必要」という指揮官は、コミュニケーション力、判断力に長けた小野への信頼は変わらず、面談の機会を設けたという。
「(面談で)エディーには日本代表でもサントリーでも頑張りたいと言いましたが、今回の合宿から呼ばれるとは思っていませんでした。10番、12番ができる選手も多く層が厚い。周りをうまく動かすなど自分のできることからやっていきたい」。2度目のW杯出場へ向けて、迷いのない、すっきりとした表情で語った。
やはり存在感を見せた小野の再加入で、春シーズン、10番と12番を務めていた立川理道(クボタ)と田村優(NEC)、WTBからSOにコンバートされた廣瀬俊朗(東芝)、若手CTB中村亮土(サントリー)、秋にはケガから復帰できる見込みのクレイグ・ウィング(神戸製鋼)と、一気に競争は激しくなった。
CTBベネット「日本代表でW杯の舞台に」
13番としての活躍が期待されるベネット 【斉藤健仁】
ベネットは、来年で居住3年の代表加入条件をクリアするため、まだ試合には出場できないが、マレ・サウ(ヤマハ発動機)、松島幸太朗(サントリー)とともにアウトサイドCTBとしての期待がかかる。「われわれの求める13番のスキルを持っている」とジョーンズHCが言うように、合宿ではレギュラー組に入ってプレーし、スキルの高さを披露。そんなベネットは母親がフィリピン人で、兄もフィリピン代表であるが、フィリピン代表入りは断った。「日本代表でW杯の舞台に立ちたい。今回の合宿は、最初のステップ」と桜のジャージに意欲を見せた。