石川遼、優勝引き寄せた一打に感じたこと
この一打は世界で通じるのか――自問自答の4日間
「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」で2シーズンぶりの勝利を飾った石川。 この一打は世界で通用するのかと自問自答しながらの4日間だった 【写真は共同】
北海道のザ・ノースカントリーゴルフクラブで開催された「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」で2シーズンぶりの勝利を飾った石川。6月中旬に米ツアーの“一時休戦”を決めて一時帰国し、北海道で強化合宿を行っている最中での優勝だった。日本ツアーでのプレーだったが、頭の中では、いつも主戦場で戦う自分をイメージしていた。
賛否両論あった最難関ホールで最高の見せ場
13番は昨年まではパー5でプレーされていたが、今年は新たに463ヤードのパー4に設定された。砲台気味のグリーン手前には池があり、ティショットを両サイドの深いラフへと曲げると、一気にボギーの可能性が高まり、案の定4日間の最難関ホールとなった。
この変更には賛否両論があったが、石川は開幕前日「いろんな感じ方があると思うけれど、PGAツアーでやる分には沢山ある」と意に介さずティオフ。この最終日に、最高の見せ場とした。
常に練習しているショットが理想の軌跡
「打ち出しはグリーンの外。そこに構えるのも勇気が必要だった」。
同組の小田孔明を1打差で追う状況だった。バンカーに入れれば、一瞬で差がひらくピンチになる。だが頭の中はクリアだった。「自分が常に練習しているショットを試すチャンスなんじゃないか。小細工は必要ない」。8番アイアンで放ったボールは理想通りの軌跡を描き、ピンそば20センチにピタリとついた。
「今のショットだったらどのコースでも通用する」
ここは、通過点。13番のバーディパットをタップインして石川遼が思ったのは「追いついた」ではない。「今のショットだったら、どのコースでも通用する」だった。
(文・桂川洋一)
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