現地の外国人記者が見た今大会の日本代表 開幕前には大きな期待も「正直、失望した」
高かった日本の前評判
ブラジルW杯グループ最下位と不本意な結果に終わった日本。現地で取材する各国メディアの声を真摯に受け止め、この先の結果にどう生かすかが重要だ 【写真:FAR EAST PRESS/アフロ】
昨年11月にブリュッセルで日本が3−2で勝った試合をスタジアムで見たというベルギーのサッカー雑誌『Voetbal』のバンデ・ベルデ・ステファン記者からは「あの時の日本はものすごくいいチームでインパクトが強かったのに、わずか半年間にどうなってしまったのか?」と逆質問されてしまったほど。それだけ、各国メディアの日本の前評判は高かったと言っていい。
出てこなかった日本の“ラッキーボーイ”
本田、香川らが不発に終わった日本。ハメス・ロドリゲスのような「“ラッキーボーイ”的な存在が出てくることも重要」とベルギー記者は話す 【写真:ロイター/アフロ】
しかし、ふたを開けてみると、期待の本田も香川もギリシャ戦では決め手を欠いてしまう。主導権を握り、シュート数でも上回ったコロンビア戦でもゴールを奪えなかった。その両エースが不発に終わったことが日本低迷の最大の要因だと見る向きもある。それを指摘したのが、やはり昨年11月に対戦しているベルギーのスポーツ紙『Het Laatste Nieuws』のデクリーセ・マルク記者だ。
「今大会で勝ち残っている国を見ると、ブラジルのネイマール、アルゼンチンのリオネル・メッシ、コロンビアのハメス・ロドリゲス、ドイツのトーマス・ミュラーといったように傑出したタレントが結果を出している。ベルギーの場合は得点者は1人だけに偏っておらず、(ケビン・)デ・ブライネ、(ロメル・)ルカク、(ディボック・)オリギ、(マルアン・)フェライニ、(ドリース・)メルテンスとアタッカーが1点ずつ取っているし、(エデン・)アザールもアシストで貢献している。日本はエースのホンダとカガワが不発に終わったし、それをカバーする選手が他に出てこなかったのも痛かった。われわれのチームは、(クリスティアン・)ベンテケが4月に負傷し、その代役に抜てきされたオリギがブレイクしたが、そういう“ラッキーボーイ”的な存在が出てくることも重要。日本はそういう要素も欠けていた」と彼は厳しい目線で日本を見ていた。