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“名勝負”間違いなしのW杯準々決勝
「22歳の10番」対決など見どころは?

両国の命運を握る若きエースの活躍

準々決勝のブラジル対コロンビア戦で注目される「22歳の10番」対決。ネイマールは期待に応えることができるか
準々決勝のブラジル対コロンビア戦で注目される「22歳の10番」対決。ネイマールは期待に応えることができるか【写真:ロイター/アフロ】

 ワールドカップ(W杯)ブラジル大会の参加32カ国は、グループステージを経て16カ国に半減し、ラウンド16という難所を経て8カ国にまで絞り込まれた。大抵のトーナメントで「一番面白い」と評されるのが準々決勝だが、W杯もまた例外ではない。


 6度目の世界王者「エクサ・カンペオン」を目指すことを義務付けられる開催国ブラジルが相対するのは、同じ南米大陸のコロンビア。初のベスト8となったこの国は、ブラジルとは好対照とも言えるエンジョイ・フットボールの極みをこの大会で見せている。プレッシャーと戦い続けるカナリア軍団にとっては何とも厄介な相手がこの準々決勝で待ち受けていた格好だ。


 最大の注目ポイントが「22歳の10番」であることは論を待たない。ブラジルの10番を背負うネイマールと、コロンビアの10番であるハメス・ロドリゲス。大会前から絶対的エースにして世界的スターとして大きな期待を寄せられた前者は、ここまで4得点とハードマークに苦しみながらも「結果」を残してきた。対するJ・ロドリゲスは今大会で5得点2アシストと驚異的な活躍で評価を高め、世界的スターの仲間入りを果たそうとしている。この2人のどちらが結果を出すかは、そのまま勝敗に直結してくるだろう。


 つまり、「2人をどう抑えるか」と「抑えられたときにどうするか」の2点がポイントとなる。「ネイマール依存症」などという言葉まで聞かれるブラジルは、もはやこの10番と心中する覚悟すら感じるが、彼自身も故障を抱えているだけに、どこまでこの22歳に依存するのか。個人的にはフッキの爆発に期待しているのだが、恐らくルイス・フェリペ・スコラーリ監督も内心ではネイマール以外のアタッカー陣にいら立ちを募らせていそうだ。

左サイドに流れるJ・ロドリゲスにどう対応するか?

徹底マークが予想されるコロンビアのJ・ロドリゲス(左)。得意の左サイドに流れるプレーを見せることはできるか
徹底マークが予想されるコロンビアのJ・ロドリゲス(左)。得意の左サイドに流れるプレーを見せることはできるか【写真:ロイター/アフロ】

 そして、J・ロドリゲスを抑え込むという難題もある。今大会、GK・センターバック(CB)・両ボランチの守備中央部が確固たる安定感を見せているブラジルだが、トップ下のJ・ロドリゲスと対峙するはずだったルイス・グスタボが累積警告により出場停止。実績のあるパウリーニョが先発復帰しそうだが、“効いていた”ボランチの不在はかなりの痛手と言える。


 一方、コロンビア視点から見ると、徹底マークの予想されるJ・ロドリゲスがポゼッション時に「消される」展開は想定内だろう。むしろ、狙いはカウンター。速攻時にタイミング良く左サイドに流れて起点を作るコロンビアの10番が得意とするプレーは、超攻撃的な右サイドバック(SB)であるダニエウ・アウベスの背後を突くという「対ブラジルの狙いどころ」とも合致する。試合展開によっては、20歳のMFキンテーロをトップ下に入れる、あるいは2トップに変えてJ・ロドリゲスを左MFに回す形を見せてくるかもしれない。


 個々の能力と経験値でブラジルが上回るのは確かだが、カウンター一発を狙う「待ち戦」をコロンビアが仕掛けてきたときに、王者の頼みの綱が22歳の10番のみとなると、少々苦しい展開となるかもしれない。

欧州の強豪が28年ぶりに対峙

 フランスとドイツという因縁深い欧州の隣国も、準々決勝で相対することとなった。1931年の初対戦(このときは1−0でフランスが勝利)から激突を繰り返してきた両代表は、歴史的因縁もあってまさに好敵手と言える関係だ。中でも82年のスペイン大会準決勝は、3−3の同点からPK戦の末に西ドイツ(当時)がフランスを破る劇的なゲーム展開で、今もW杯の名勝負と言えば必ず名前が挙がってくる試合となった。この両国は続く86年メキシコ大会の準決勝でも激突。ここでも西ドイツが2−0で競り勝った。


 もっとも、90年代以降ではW杯で両国が遭遇する機会は不思議となく、これが28年ぶりの対峙となる。試合前から早くもピリピリした空気を漂わせているだけに、何事もなく試合終了の笛を聞くような、そんな凡戦にはなりそうもない。


 この試合に向けて不安材料が多いのはドイツだろう。ラウンド16を発熱により回避したCBのマッツ・フンメルスに続いて、風邪を引く選手が続出しているようで、FWトーマス・ミュラーらが欠場する可能性も示唆されている。ラウンド16で右SBを務めたシュコドラン・ムスタフィも欠場の見込み。この位置については、今大会のほとんどの時間をアンカー(二人のCBの前に位置する守備的なMF)の位置で過ごしていた「世界最高の右SB」であるラームの“異動”で埋めることになりそうだ。絶妙なタイミングでのオーバーラップなど、知的でエネルギッシュなプレーは、この準々決勝でぜひ注目してほしいポイントと言える。

川端暁彦
川端暁彦

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』を始め、『スポーツナビ』『サッカーキング』『サッカー批評』『サッカーマガジンZONE』『月刊ローソンチケット』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。2014年3月に『Jの新人』(東邦出版)を刊行

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