アマの頂点に立った蛭田みな美の粘り腰=“みなみちゃんブーム”に刺激の16歳
勝みなみら参戦で注目を集めたアマ選手権
勝みなみらの参戦で注目を集めた「日本女子アマチュア選手権」を制した蛭田みな美 【写真は共同】
発奮材料となった偉大な恩師のひと声
2日目の挽回を後押ししたのは、偉大な“恩師”のひと声。兄と姉の影響を受け、3歳でおもちゃ代わりにゴルフクラブを握った彼女の成長過程には、中嶋常幸が2012年から主宰するジュニア育成プログラム「トミーアカデミー」への参加がある。今大会には5人前後の門下生が一緒に出場。初日に現地に足を運んでいた中嶋からかけられた「蛭田のノーバーディはツラいなあ…」という嘆き節が発奮材料になった。
「海外で活躍できる選手になりたい」
「メジャーで2位が多いと聞いて、それでもスゴイなあと思って」(蛭田)
過去の話を紐解いていくうちに、胸を打たれたのが「勢いがある時は怖がらずに乗っていけ、流れに逆らわないように」という言葉。“ホワイトシャーク”の生き様を表したフレーズに従い、わずかなチャンスを逃さず、見事に波を乗りこなした。
「KKTバンテリンレディスオープン」で勝が優勝し、今春から続く“みなみちゃんブーム”。名前が同じとあって「よく言われます…刺激にはなりました。まあ、いい気分はしません」と思うところもあったが、ビッグタイトルの獲得で「海外で活躍できる選手になりたい」と夢を馳せた16歳。勝負を決めた大洗GCの16番グリーンの向こうには、嵐の後の太平洋が雄大に見渡せた。
(文・桂川洋一)
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