「錦織らしくないミス」を救った日没
ウィンブルドンテニス
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ボレッリは予想以上に手ごわい

雨の影響で遅れて始まった試合は最終セットが3-3となったところで中断
雨の影響で遅れて始まった試合は最終セットが3-3となったところで中断【写真:AP/アフロ】

 ウィンブルドンならではの試練が続く。


 錦織圭の3回戦は、18番コートの第2試合に予定されていた。朝からぐずついていた空模様が徐々に崩れ、第1試合開始と同時に雨が降り出し、やがて大雨に。屋根のあるセンターコートの試合だけが予定通り午後1時にスタートするなか、各選手は空を見上げながらの待機だ。雨が上がってコートが大幅に変更され、錦織が8番コートに入ったのは午後6時過ぎ。雨のなかを18番コートで待っていた日本人サポーターが大急ぎで移動し、6時15分に試合が始まった。


 シモーヌ・ボレッリ(イタリア)は予想以上に手ごわい。昨年のウィンブルドン後に手首の手術を受けて戦列を離れ、今シーズンはチャレンジャー大会から這(は)い上がってきた。今大会は予選3回戦で敗れたがラッキールーザーで拾われ、失う物なし。渾身(こんしん)のフラットサーブが芝を蹴り、強烈なフォアハンドがベースライン深くに入れば、片手打ちのバックハンドからのスライスでしっかり守る――お互いにサービスキープして迎えた第8ゲームの錦織のサービスゲーム。ミスが3本続いた0−40から2本目のブレークポイントでバックハンドボレーを決められた。ボレッリはダブルスでツアー3勝し、ネットプレーも油断ならない。

錦織らしくないミスも

 今大会、ここまでの錦織は試合になかなか気持ちが入れない印象がある。


 第2セットは第2ゲームで、2本のフォアハンド・ウィナーを決めてそのままセット・オールとしたが、まだ気持ちが乗り切れない。きれいなウィナーも出るが、錦織らしくないミスが断続的に飛び出し、安定感が感じられない。第3セット、サービスキープで迎えた4−5からの第10ゲーム、いきなりバックハンドのリターンエースを浴び、ボレーを叩かれ、ラリー戦も取られてセットダウン。ここまで追い詰められるとは思っていなかったサポーターが不安の声を漏らし、第4セットも嫌な雲行きになった。


 勢いづいたボレッリに押され気味で進み、4−5で迎えた第10ゲーム、15−30のピンチを2本のサービスエースで逃れた。ホッと息をつく間もなく、5−6の第12ゲームに今度は0−30、あと2ポイントの崖っぷちでボレッリがイージーミスをしてくれて命拾い。タイブレークにもつれ込めば、チャンスを2度も逃したボレッリに動揺があったのだろう。この日の錦織は、要所でサービスが決まったこともあり、ここを奪ってファイナルセットへ持ち込んだ。

錦織のサービスゲームで再開

 時計は9時を回り、いつ中断されてもおかしくないなか、錦織が第5ゲームの15−40を乗り切ったのは大きい。3−3なったところで、日没サスペンデッド。ウィンブルドンは折り返しの日曜日には試合がないため、月曜日に持ち越された。この中断がどちらに利するかは分からない。チャンスを逃したボレッリには嫌な時間が流れるだろうが、4月には300位台にいた男に、そんなヤワな話は通じないだろう。月曜日(30日)は、錦織のサービスゲームから始まる。


 ラファエル・ナダル(スペイン)、ロジャー・フェデラー(スイス)は問題なく勝ち進んだが、気になるのは錦織の想定4回戦の相手。宿敵マイロス・ラオニッチ(カナダ)が安定したサーブを軸にストレートで勝ち上がって錦織の結果を待っている。

セリーナが敗れる波乱も

 女子は屋根付きのセンターコートで戦ったマリア・シャラポワ(ロシア)は実力を発揮したが、1番コートに入ったセリーナ・ウィリアムズ(米国)がアリーゼ・コルネ(フランス)に逆転負けした。セリーナは今年2月のドバイでもコルネに敗れ、その時と同様にドロップショットでリズムを狂わされた。この他では、第3シードのシモーナ・ハレップ(ルーマニア)が17歳のベリンダ・ベンチッチ(スイス)を、ユージェニー・ブシャール(カナダ)がアンドレア・ペトコビッチ(ドイツ)を退けている。


(文:武田薫)

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