表舞台には出ないアマゴルファーの苦労
遠征が続く中・高校生アマの通学状況
一見華やかに映るアマゴルファーの活躍の裏側にある苦労とは!? 【写真は共同】
一見すれば華やかに映る、プロツアーで次々と輝きを放つ中・高校生アマたち。しかし、まだ幼さが残る彼女たちの表情の向こう側に、ちょっとした疑問も見えてくる。遠征が続く間、学校はどうしているのだろう? アマチュア資格規則により例え優勝しても1円の賞金も入らない中で、経済的な問題は?
不定期な通学状況をカバーするため、学校側がサポート体制を敷いている、あるいは通信制や単位制の学校を選択するなどのケースが挙げられる。今年4月に私立鹿児島高校に進学したばかりの勝は前者にあたり、出席日数の不足分はレポート提出などで補われるとのこと。一方、「サントリーレディス」予選ラウンドで上位を賑わせた佐々木笙子、ナショナルチームメンバーである永井花奈らは通信制。今季の大型ルーキー藤田光里も、高校3年時に通信・単位制の学校に編入した経歴を持つ。
交通費やエントリーフィ…費用の問題
「サントリーレディス」で今季マンデー5試合目(4試合通過)となる佐々木の父・修治さんが明かすには、佐々木が女子プロゴルファーへの夢を抱いた小学生当時に、費用を捻出するため持ち家を売却。現在は賃貸住宅で暮らしている。試合会場へは、可能な限り修治さんが運転する自動車で移動。交通費を抑えるとともに、ゴルフバッグや荷物の発送費用を節約する目的も大きいという。
また、アマチュア当時は多くのレギュラーツアーに推薦出場していた諸見里しのぶも、「母にプロになってから聞きましたが、(当時は)大変だったようです」と教えてくれた。複数の個人がお金を出し合って資金を相互扶助する、沖縄特有の『模合(もあい)』という風習にも支えられたという。「私の場合はたくさんの人に助けてもらった。一家族だけでは苦しいと思う」との言葉に、重い響きが感じられた。
家族の努力と覚悟――だからこそ強くなれる
上記はあくまで一例だが、「将来はプロゴルファーになりたい」という子供の夢を真正面から受け止めるには、家族単位の努力と覚悟が求められるのかもしれない。しかし、「だからこそ、強くなれるのかも知れません」と話していた諸見里の言葉もまた、印象的だった。
(文・塚田達也)
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