大森が秋山を破り悲願の三冠初戴冠 全日本初参戦の鈴木が諏訪魔と激突

高木裕美

秋山を破り悲願の三冠王座を初戴冠した大森 【前島康人】

 全日本プロレス「2014ダイナマイト・シリーズ」開幕戦となる15日の東京・後楽園ホール大会では、2大タイトルマッチなどが行われ、1221人を動員した。
 メインイベントの第48代三冠ヘビー級王座決定戦では、今年の「チャンピオン・カーニバル」決勝戦を争った大森隆男と秋山準が再激突。20分を超える熱戦の末、大森が5度目の挑戦にして悲願の初戴冠を果たした。

世界タッグ奪取で5冠王宣言

右腕殺しを耐えアックスボンバー連発 【前島康人】

 前王者・曙の王座返上により開催された決定戦。7月からは新会社の社長に就任し、団体のすべてを背負う秋山が、その覚悟を見せ付けるかのように、非情なまでの右腕攻めを繰り出すと、さらにエクスプロイダー、ランニングニーを炸裂。だが、大森は観客の声援を支えに立ち上がると、痛む腕をこらえながらアックスボンバーを連発。なおも粘る秋山をスライディング式アックスボンバーで粉砕し、ついに至宝を手に入れた。

 試合後、リング上から「全日本プロレスは選手だけのものではない、みんなのものだ」と応援してくれたファンに感謝し、リング外の問題で揺れた団体を支えていく覚悟を示した大森は、初めて手にしたベルトを「重いね」と、その歴史と伝統を実感。「チャンピオンもワイルドの道と同じ。どんなに険しく、また、高い壁があっても、逃げずに立ち向かうしかない。皆から目標とされるチャンピオンになりたい」という意気込みの下、28&29日の札幌2連戦に向け、「2日連続で主役を取れるのは光栄。世界タッグも獲るし、三冠も守り抜いてみせる」と、5冠王宣言も飛び出した。

全日本初参戦の鈴木が諏訪魔と肉弾戦

初参戦の元IGF鈴木は諏訪魔とド迫力肉弾バトル 【前島康人】

 元IGFの鈴木秀樹が全日本マット初参戦。諏訪魔とタッグで対戦し、大型選手ならではのド迫力肉弾バトルを繰り広げた。
 鈴木は序盤から諏訪魔を執ように挑発。“人間風車”ビル・ロビンソンさんのまな弟子らしく、豪快なジャーマンスープレックスで諏訪魔を投げ飛ばすと、パートナーの佐藤光留を必殺のダブルアームスープレックスで沈めた。
 鈴木を全日本マットに引っ張り出したK氏からは「馬鹿」というメールが送られてきただけで再び音信不通となったという鈴木だが、「大きい選手がたくさんいるし、全員とシングルでやってみたい」と、全日本への継続参戦を熱望。今回はKENSOと組んだものの、DARK KINGDOM入りは否定した。
 一方、鈴木のジャーマンで首を痛めたという諏訪魔は「ああいうヤツはEvolutionで潰しておかないと」と、再戦に意欲を見せた。

くもめんそ〜れ親父がGAORA王座挑戦直訴

タイガードライバーでGAORA TV王座初防衛に成功した鼓太郎 【前島康人】

 GAORA TVチャンピオンシップ新王者の鈴木鼓太郎は、前王者のSUSHIを返り討ちにし、初防衛に成功した。東京スカイツリーの目の前を流れる北十間川付近のゆるキャラ、カッパのコタロウが同じ名前つながりで応援に駆け付ける中、鼓太郎は危なげないファイトで終始優勢に立つと、SUSHIの得意技を封印し、タイガードライバーで圧勝した。
 バックステージでは、早くもめんそ〜れ親父が次期挑戦を直訴。「全日本を盛り上げたい」という熱意に挑戦を快諾した鼓太郎は、「気持ちは伝わった。あとはオレが撒いた種がおいしく実ったところを刈り取っていく」と、今後も、続々と挑戦を受けていき、ベルトの価値を高めたいと意欲的に語った。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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