日本の命運を握るボランチ4人の起用法 山口を軸に、3人をどう使い分けるか?
山口がボランチの軸に急浮上
キプロス戦から3試合連続フル出場の山口。ここへきてボランチの軸に急浮上した 【Getty Images】
この試合に先発したのは、遠藤と山口。山口は5月27日のキプロス戦から3試合連続フル出場となった。長谷部が長年担ってきた役割を確実にこなせる若きダイナモが、ここへきて中盤の軸に急浮上したといっていい。
「自分が一番若いし、一番走れるから、より長く使われてるだけなのかなと。ハセさんはしっかり一戦目に合わせてくると思うし、僕はそこまで周りの期待を感じていない。いつでも出られる準備をするだけです」と本人は決してブレることなく、レイモンド・ジェームズ・スタジアムのピッチに立った。
後手を踏んだザンビア戦
「いつもならはまっていたはずのところで、相手が身体能力で前に来て、『誰が行くの?』みたいな状況になっていた。最初にプレスに行く人がはっきりコースを限定するとかできればよかったんですけど……。後ろのボランチやセンターバックも遅れてプレスに行っていましたね。最初の失点の時間帯も僕らボランチが後ろに吸収されて、プレッシャーにいけない状態が続き、そこで放り込まれた。チームとして1つになれていなかったですね」と本人も振り返った通り、開始9分のクリストファー・カトンゴの先制点の場面で、日本は完全に後手を踏んでしまった。
この11分後に岡崎慎司が相手GKと接触。試合が5分近く中断された。山口と遠藤、1列前の本田らがこの間に攻守の約束事を再確認したことで、試合は少し落ち着いたかに見えた。山口も内田篤人の対面に位置していたチサンバ・ルングやフェリックス・カトンゴがタテを突破してくるたびに、献身的にカバーリングに入る。彼の球際の激しさ、1対1の強さがピンチを何度か救った。
それでも日本は前半29分、右CKから2点目を献上。一段と苦境に追い込まれる。こうなると、もはや反撃に出るしかない。左ボランチに陣取っていた遠藤もようやく高い位置を取り始める。「序盤はビルドアップが低かったと外から言われた。ゴールを奪うためにも、より高い位置でボール回しができるといい」と前へ出る意識をグッと強め、長友佑都が左をえぐって出したマイナスのクロスに反応してミドルを放つ。こうした攻撃姿勢が実を結び、前半40分にラッキーな形から得たPKを本田が決め、2−1に追い上げた。