ジョコビッチ、初Vへ試合巧者ぶりを発揮=全仏オープンテニス
生涯グランドスラムを目指すジョコビッチが準決勝を突破。決勝でナダルと対戦する 【Getty Images】
経験豊富なジョコビッチが第1セット奪取
この日は久々に好天に恵まれ、気温は23度まで上昇。これまでとは違うボールの弾みも確認しながらの出だしだった。ジョコビッチは、生涯グランドスラムが懸かるだけに、全仏のタイトルは欲しい。
ジョコビッチは、グランドスラムの準決勝がこれで22回目で、経験豊富だ。一方のガルビスはこれが初めて。また、5セットをフルで戦ったのはそれぞれ28回と9回で、約3倍もの差があるだけに、試合の入り方にも差が出た。第1セット、ガルビスが最初にチャンスをつかんだ。第4ゲームを15−40とし、2本のブレークチャンス。しかし、ジョコビッチは追い込まれてからが強かった。これを4ポイント連取でかわすと、続く第5ゲームで反撃に転じ、相手のファーストサーブが入らないところを突いた。ガルビスはブレークポイントを3本まで逃れたが、4本目に力尽きて先手を奪われた。
こうなると、力の出し入れ自在なジョコビッチが試合巧者らしく、サービスキープに専念してチャンスを探る。ジョコビッチは第9ゲームにブレークチャンスを得ると、懸命に打ち守るガルビスと激しいバックハンドの応酬を展開。最後は鮮やかにダウンザラインに切り返して第1セットを奪った。
決勝はナダル戦 直近8試合は五分の戦い
さすがのジョコビッチも大会6試合目となれば疲れはある。まして、ここまでマリン・チリッチ(クロアチア)、ジョー・ウィルフリード・ツォンガ(フランス)、マイロス・ラオニッチ(カナダ)と手ごわい対戦相手が続いた上に、気候の変化もあった。
ジョコビッチに疲れが見えたところで、ガルビスはドロップショットを混ぜながら突破口を模索。第8ゲームでついにブレークして1セットを奪った。しかし、最後はグランドスラムにおける5セットマッチの経験の差、時間の使い方の差が物を言い、ジョコビッチが順当勝ちを収めた。
続く第2試合は、全仏オープンで2度目のベスト4入りを目指したマレーに期待が懸かったが、ここまで5試合の試合時間でナダルよりも4時間半も長くプレーした疲れは隠せなかった。さらに、晴天で高く跳ねるボールはナダルに有利。6−3、6−2、6−1という一方的な試合でナダルが制した。
決勝で対戦するナダルとジョコビッチの対戦成績は、ナダルの22勝19敗。クレーコートでも13勝4敗とナダルがリードしているが、最近8試合のクレーの対戦は4勝4敗の五分、直前のローマ大会ではジョコビッチがフルセットで勝っている。
(文:武田薫)
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