4強のシャラポワ、勝負を決めた経験差=全仏オープンテニス

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難ある第1セットを落とすも逆転勝利

4年連続4強入りを決めたシャラポワ。経験の差がはっきりと表れた試合となった 【Getty Images】

 テニスの全仏オープンは4日、女子シングルス準々決勝が行われ、第7シードのマリア・シャラポワ(ロシア)がガルビネ・ムグルザ・ブランコ(スペイン)を1−6、7−5、6−1で下し、4年連続の準決勝進出を決めた。

 シャラポワが本領を発揮した大一番だった。今大会では立ち上がりの第1セットに難がある。ツベタナ・ピロンコバ(ブルガリア)との2回戦は7−5と競り、4回戦のサマンサ・ストーサー(オーストラリア)との試合ではセットを落とした。6−0、6−0だったパウラ・オルマエチェア(アルゼンチン)との3回戦も、第1セットの第1ゲームにダブルフォールト3本で2度のブレークポイントという窮地を雨の中断に救われている。

 この日、挑戦者のムグルザは、その立ち上がりに集中していた。曇天下で風がやや強い中、ムグルザは、シャラポワがサービスに苦しむところを攻め込み、第1、第3、第7ゲームをブレークして6−1で先手を奪った。

 問題はここからだ。シャラポワが目を覚ます前に突き放すことができるか――ムグルザもそのことは分かっていただろう。グランドスラムで初の準々決勝という重圧がじわじわとのしかかる中、第2セットでは必死の攻防を見せた。第3ゲーム、2本のダブルフォールトで先にブレークを許したが、2回戦で第1シードのセリーナ・ウィリアムズ(米国)を倒した自信だろう、畳み掛けてくるシャラポワに果敢に抵抗し、第5ゲームで2本のブレークポイントを守ったのは大きい。
 続く第6ゲームも、シャラポワが30−30からダブルフォールト2本と再び崩れて3−3に。さらに第7ゲーム、今度はシャラポワが40−15から攻めてブレークポイントを握ったが、ムグルザは強打にドロップショットを織り込んでしのいだ。

 リズムに乗り始めたシャラポワが強烈なショットを右に左に打ち込み、それをムグルザがベースライン深く、さらにはサイドラインぎりぎりに振り回すという、互角のウィナー争奪戦が続いた。挑戦者・ムグルザがセットをリードしているとはいえ、均衡が崩れれば、流れは雪崩を打ってシャラポワへと移る。第11ゲームのムグルザのサービスゲーム、シャラポワは30−0からのダブルフォールトを起点に圧力をかけ、3本のウイナーを浴びせてサービスブレークに成功した。ムグルザも続く第12ゲームのセットポイントを2本しのいだが、目覚めたシャラポワのサーブは勢いが違った。

 ファイナルセットは、シャラポワがファーストサーブの確率を72%まで上げ、アンフォーストエラーも、第2セットの22本から5本に激減(一方のムグルザは26本)して勝負は決まった。シャラポワはこの試合が21度目のグランドスラムの準々決勝とあり、経験の差がはっきり表れた試合だった。

男子はジョコビッチが順当勝ち

 女子の準々決勝のもう1試合、カルラ・スアレス・ナバロ(スペイン)対ユージェニー・ブシャール(カナダ)も新旧の接戦になり、こちらは20歳のブシャールがクレー巧者のナバロをフルセットの末に下し、全豪オープンに次ぐ4強入りを果たした。

 男子は第2シードのノバック・ジョコビッチ(セルビア)がマイロス・ラオニッチ(カナダ)の強烈なサーブを巧みにさばいてストレート勝ち。また、4回戦でロジャー・フェデラー(スイス)を倒して絶好調のエルネスツ・ガルビス(ラトビア)が、第6シードのトマシュ・ベルディヒ(チェコ)を退け、準決勝でジョコビッチに挑戦する。

(文:武田薫)
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