――さて、今回グループリーグでは初戦で日本と対戦しますが、日本の印象は？

　私は日本のことを良く知っていますよ（笑）。とても効率がいいサッカーをしていますね。

――実際に日本代表の試合を見たことはありますか？

（２０１１年の）アジアカップを見ました。決勝で日本がオーストラリアに勝った試合ですね。

――日本のサッカーとコートジボワールのサッカーの違いはありますか？

　もちろんです。日本のサッカーはとても発達していますよね。コートジボワールとはレベルが違います。日本のサッカーはプロフェッショナルです。コートジボワール国内にはプロフェッショナルなものがありません。ですから、コートジボワールの選手は、欧州のリーグに渡ってプロ選手になります。

　ただコートジボワール国内でプレーしている選手は、欧州のチームでプレーしたいという野心があり、欧州で頑張ろうという気持ちが強いですね。

――サッカーの違いという点でいうと、やはりアフリカのサッカーはフィジカルが強いというイメージがありますが、その中でコートジボワールはどんな特徴を持っていると思いますか？

　私はサッカー選手じゃないので分からないのですが（笑）。ですが昔から、アフリカのサッカーはフィジカルサッカーだと言われていましたよね。

　でも今は、戦術が大事です。新しい技術が発達していますから、フィジカルより技術が大切で、新しい戦術には知性が必要だと思っています。コートジボワールの代表選手は多くが欧州で戦っているので、フィジカルだけではないと思っています。
　それにもし、サッカーがフィジカルだけで勝てるなら、すでにアフリカのチームがＷ杯で優勝していますよね（笑）。

――前回のＷ杯の時は、開幕前の親善試合で日本の選手がドログバ選手を骨折させてしまったのですが、その件は覚えていますか？

　もちろん、覚えていますよ。その当時は、日本で仕事していなかったのですが、日本が相手だったことを覚えています。でも日本の方たちが試合の後にすぐ謝罪してくれましたし、みんなもう許していますよ。その話は終わりました。それがサッカーですし、試合をすればけがをすることもあります。勝ったり負けたりしますが、試合が終わったら、それで終了です。

――今回のＷ杯では本大会の初戦で激突しますが、どんな試合になると思いますか？

　すごく難しい質問ですね。私は日本にいますから、もし日本に勝って喜んでいたら、捕まっちゃいます（笑）。

　ただ今のコートジボワール代表は団結力がありますし、いい試合になると思います。私の願いとしては、この試合で日本とコートジボワールがお互いのことを知り、ひとつになってほしいし、国自体の両者の関係が良くなればいいと思います。そう考えると、引き分けで終わればいいなと思います（笑）。

　私たちはとても平和的な民族です。サッカーのサポーターはスタジアムに行って試合を楽しみ、試合が終わったら、それで終わりです。ですので、国内での試合は、スタジアムの雰囲気もすごく良いですし、楽しい時間を過ごした後は、楽しくダンスするだけです。

　私たちの思いは、日本とコートジボワールの試合が終わったあと、一緒にＷ杯という祭典を祝い、両国の協力体制ができていることを願っています。