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国民的英雄ドログバは“大使”並みの人気
コートジボワール大使館員に聞くお国事情
日本とW杯初戦で激突するコートジボワール代表。国内のサッカー人気などについて在日コートジボワール大使館で働く職員に話しを聞いた
日本とW杯初戦で激突するコートジボワール代表。国内のサッカー人気などについて在日コートジボワール大使館で働く職員に話しを聞いた【写真:アフロ】

 ワールドカップ(W杯)ブラジル大会まで1カ月を切った。各国の代表メンバーも発表され、世界中でサッカー熱が上昇している。では、日本の対戦国となる現地の状況はどうか? 今回スポーツナビでは各国の在日大使館を訪問し、本大会に向けての様子を聞いてみた。


“レ・エレファンツ(象)”の愛称を持つコートジボワール代表。ディディエ・ドログバ(ガラタサライ)、ヤヤ・トゥーレ(マンチェスター・シティ)といった世界的な名選手を輩出している同国だが、今回が3大会連続3回目のW杯出場となる。

 2010年のW杯南アフリカ大会の際は、大会前にエース・ドログバが腕を骨折。本大会ではギブスをしてのプレーとなり、健闘はしたもののグループリーグ敗退となった。そのけがの原因を作ったのが日本代表との親善試合。このことに関してコートジボワール大使館のバイ・セナハン・エドアルド参事官(47歳)に聞くと、「覚えていますよ。でも日本の方たちがすぐに謝罪してくれたのでみんな許しています。その話は終わりました」とまったく根に持つことなく、「それがサッカーです」と笑って話してくれた。


 そして今回は初戦(日本時間15日)での激突となるが、「私たちの願いは、日本とコートジボワールの試合が終わったあと、一緒にW杯という祭典を祝い、両国の協力体制ができていることを願っています」と試合の結果よりも、両国の信頼関係が深まることを願っている。

ASECのアカデミーが育成の基盤

大使館で働くアシ参事官(左)とバイ参事官。コートジボワールでもサッカーは最も人気のあるスポーツだと語ってくれた
大使館で働くアシ参事官(左)とバイ参事官。コートジボワールでもサッカーは最も人気のあるスポーツだと語ってくれた【スポーツナビ】

――間もなくW杯ブラジル大会が始まります。コートジボワールは3大会連続のW杯出場となりますが、自国でのサッカー熱というのはどれぐらいですか?


 ほかの国と同様だと思いますが、サッカーはコートジボワールで最も人気のあるスポーツです。各地域でサッカーをやっていますし、チームもあります。そこには多くのサポーターがいて、すべての人が楽しんでいます。


――そんな中でサッカー選手はどのように育てられますか?


 自国内にリーグもありますし、国内選手権もあります。その中で活躍した選手が、代表メンバーにも選ばれます。ですから子どもたちは、それぞれの地域のチームに入って、アカデミーがあるので、そこで練習し成長します。


 その中でも有名なひとつが、ASECミモザのアカデミーです。ここではヤヤ・トゥーレ、アルナ・コネ(エバートン)、サロモン・カルー(リール)、エマニュエル・エブエ(ガラタサライ)などを輩出しました。このチームは元日本代表監督のフィリップ・トルシエも監督をしていたチームで、90年にはアフリカチャンピオンズリーグで優勝しています。トルシエの後を引き継いだフランス人のジャン・マルク・ギルーがアカデミーを整え、ここから欧州のクラブチームに多くの選手を送り出しています。

今の代表チームは強い団結力がある

――さて、コートジボワールといえばディディエ・ドログバが有名かと思いますが、自国ではどれぐらい人気ですか?


 ドログバは、コートジボワールの“大使”ですね(笑)。コートジボワールという国を世に広めてくれているという意味で、一言で言うなら“コートジボワール大使”です。


 また国内でもとても人気があります。2000年代初頭に国内で政情不安が起こっていました。そんな中、ドログバとそのチームメートがテレビに出て、国民に平和と団結、そして和解を呼びかけるメッセージを発信したところ、多くの人がそれを喜び、内戦は止みました。


 ほかにも、ドログバがチェルシーに移籍した際は、コートジボワール国民の多くがチェルシーファンになりました。もちろん、チェルシーというよりも、ドログバファンなだけなのですが(笑)。チャンピオンズリーグ(CL)やヨーロッパリーグ(EL)に出場した際も、ほとんどがチェルシーを応援していました。

 ですので、今はガラタサライファンが多いですね(笑)。


――ドログバの影響力は本当に大きいのですね。ではドログバ選手の次に注目の選手は?


 たくさんいますよ。ヤヤ・トゥーレ、カルー、コロ・トゥーレ(リバプール)、ジェルビーニョ(ローマ)、マックス・グラデル、イスマエル・ディアモンデ(ともにサンテティエンヌ)、アルトゥール・ボカ(シュツットガルト)、ウィルフリード・ボニー(スウォンジー・シティ)とか。本当にたくさんです。1番はドログバということで明確なんですけど(笑)。


――これらの選手はみんな欧州でプレーしていますが、代表に戻ってくると、国のために献身的に戦うのですか?


 みんなが欧州の違うチームで戦っているという事実はありますが、そこは監督がチームをまとめ、調整し、よい雰囲気を作り出して、それぞれの選手の才能を引き出しています。

 それぞれのチームに戦術がありますから、代表としてポジティブな結果を求めるのであれば、団結力が必要。選手が異なるクラブから戻ってきたとき、まずは彼らはチームの戦術を忘れて、代表では違う魂を持って戦ってもらうように促しています。もちろん、今のメンバーは代表の親善試合などで一緒にプレーしている時間が長いので、それほど心配はなく、強い団結力が生まれていると思います。

スポーツナビ

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