国立競技場が残した輝く歴史と遺産 スタジアムツアーで足跡を振り返る

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提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会

5月いっぱいで約半世紀の歴史に幕を下ろす国立競技場 【スポーツナビ】

 公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団と日本ラグビー協会が主催する「みなとスポーツフォーラム 2019年ラグビーワールドカップに向けて」の第44回が5月24日、特別企画「国立競技場スタジアムツアー」として、東京都・新宿区の国立競技場で開催された。

 1958年に完成した国立競技場は、ラグビーやサッカーなどの試合から、64年の東京五輪や91年の陸上世界選手権などの国際大会まで、約半世紀にわたって日本のスポーツ界を見守り続けてきた、言わずと知れた“スポーツの聖地”だ。しかし、2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場「新国立競技場」への建て替えのため、5月31日の「SAYONARA国立競技場FINAL“FOR THE FUTURE”」で長い歴史に幕を閉じることになった。

 本フォーラムの第44回は、同競技場最後のスポーツの試合となった、25日のラグビー・アジア5カ国対抗の香港戦に合わせて行われた。抽選で選ばれた約30人が、専門ガイドの案内を受けながら会場を回り、同競技場にまつわる歴史やエピソードを学んだ。またツアーの最後には、15年ワールドカップ(W杯)出場が懸かる大一番を翌日に控えた日本代表の練習を見学。天候にも恵まれ、参加者は充実したひと時を過ごした。

東京五輪、世界陸上……過去の歴史を振り返る

スタジアムツアーには抽選で選ばれた約30名が参加 【スポーツナビ】

 ツアーは、JR千駄ヶ谷駅の裏手に当たる代々木門からスタート。一行がまず向かったのは代々木門側にあるピッチ入口。ここには、アジア初開催となった91年の陸上世界選手権の優勝者銘盤が飾られている。男子100メートルを9秒86の世界新(当時)で制したカール・ルイス氏や、男子走り幅跳びを8.95メートルで世界記録をマークしたマイク・パウエル氏、世界選手権で日本人初の金メダリストとなった男子マラソンの谷口浩美氏など、そうそうたる名前が刻まれている。

 ここで、スタッフの一人がおもむろにメジャーを伸ばし始めた。目盛りが指すのは8.95メートル。パウエル氏がこの地で見せた大ジャンプと同じ距離だ。現在まで23年間破られていない世界記録を目の前で見た参加者は、「こんなに遠いの?」と一様に驚いていた。

64年東京五輪の優勝者銘盤。五輪憲章の定めで設置されていることに参加者からは驚きの声が上がった 【スポーツナビ】

 続いて一行は、会場正面に飾られた64年東京五輪の優勝者銘盤の前へ。金メダリストの名前が刻まれたこの御影石は50メートルほどの幅があり、近くで見るととても迫力がある。この銘盤は解体前に保存され、別の場所に移設される予定だ。
 ちなみに優勝者銘盤は、実は五輪憲章で「メインスタジアムの中に常設すること」と定められていることから設置されたもの。もちろん20年東京五輪時には、新国立競技場に新しい優勝者銘盤が飾られることになる。これには初耳の参加者も多く「なるほど、そんな決まりがあるんだ」と興味津々の様子だった。

 その後、参加者はサブトラックやロッカールームのあるエリアを横切って、千駄ヶ谷門付近にある「出陣学徒走行の地」碑を見学。そのままスロープを上ると、ガイドさんが、その記念碑の裏にある正方形の芝生のエリアを指差した。いわく、この芝生はピッチに植えられているのと同じもので、ピッチにダメージがあった際に移植するための大事な芝生なのだという。こういった豆知識を得られるのも、スタジアムツアーならではだろう。

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