「動く瞑想」7分でできる太極拳 心と体を整える―そのヒントを体験

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瞑想とは、心のエクササイズ

大内さんはニューヨーク、東京などを拠点に世界中で瞑想エクササイズを指導している 【スポーツナビDo】

 激動の現代社会を懸命に生きているビジネスマンの間で近年、効果があると話題になっているものといえば、「瞑想」だ。時間に追われる日々から離れ、リラックスできる、気持ちが落ち着く、ストレス解消になる……などなど、その効果はさまざまな媒体で取り上げられてきた。

 Apple社の創設者、スティーブ・ジョブズさんも瞑想をやっていたという。そう言えば、サッカー日本代表の長谷部誠選手も「心を整える」と言っていた。本は読んだことはないけど、たぶん、そういうことを言っているんだろう。

 ただ、一口に「瞑想」と言っても何をすればいいの? その前に瞑想ってスポーツ? そんな疑問に答えてくれるのが、「TaoZen(タオゼン)」を世界に発信している大内雅弘さんだ。

「瞑想とは、心のエクササイズなんです」

大阪、新潟、そして鹿児島など、この日は全国から20名以上もの人が参加した 【スポーツナビDo】

 ここでまずTaoZenの説明からすると、これはタオ(道、仙術)、禅、ヨガのエッセンスを組み合わせたエクササイズであり、哲学でもあるという。大内さん自身、30年以上にもわたってヨガ、禅、太極拳などを学び、またニューヨークや東京のスタジオなど世界各地でワークショップを開いて、そのエッセンスを伝えてきた。その中で、TaoZenを開発し、「よりよく生きるためのライフ・プラクティス」として確立したものだ。

 現在ではTaoZenをベースとして、さまざまなワークショップを開講。その中でも「動く瞑想」としておススメいただいたのが「インナー風水太極拳」。これなら常に体を動かすわけだし、よりスポーツとしてとっつきやすい。しかも、これも大内さんが伝統的な太極拳の型をベースに忙しい現代社会に合わせて進化させたものなのだが、インナー風水太極拳のワークショップを受ければ、たった7分で、さらに2畳分ぐらいのスペースでできるエクササイズを学べるという。これはイイ!ということで、前置きが長くなったが、さっそく体験取材をさせていただいた。

どれくらい体が効率よく動いているか

ゆっくり、ゆっくりと動くことで効率の良い体の動きを確かめることができる 【スポーツナビDo】

 太極拳と言えば、あのゆっくりと拳法のフォームで動くアレを想像してしまうが、インナー風水太極拳も基本的にはゆっくりとしたフォーム。このゆったりとした流れの中で「自分の動きに対して“気づき”が出てくる。心の動き、気の動きにも気づく。自分の体と心がどうあるのか、確認することができます」と大内さん。

 また、インナー風水太極拳は、どのくらい無駄なく自然な動きができるかへの挑戦でもあるという。これを習得すれば、「今の自分の肉体がどれくらい効率よく動いているかを知ることができるし、自分のクセや傾向が分かり、それを直すチャンスにもなります。ですから、他のスポーツにおいてもパフォーマンスが上がりますね」とのこと。

 これは今話題のファンクショナルトレーニングに通ずるものがあり、大内さんいわく、太極拳やヨガといった東洋的な考え方がもとになって米国でファンクショナルトレーニングが生まれたのではないかということだ。
 また“ゆっくり動く”というのには理由があり、一番は「ゆっくり動かすと、ごまかしがきかない」ということ。速く動けば動くほど、その1つ1つの動作は雑になり、本当に効率よく正しい動きをしているのかは分からない。だから、正しい動作で効率よく体を動かすために、ゆっくりと動き、その動作のすべてのプロセスを心と体で味わうのだ。

 実際にこれをやっていると、決して激しい運動はしていないはずなのに、ゆっくりゆっくりと1つ1つ自分の体の動きを感じながら、確かめながら動いているためか、じんわりと汗がにじんでくる。また、大内さんが「太極拳は武術だけど、ある意味、ダンス」と言うように、最初は動きを覚えたり、付いていくのに精いっぱいだけど、そのうち自然と太極拳の動きに体がなじんでくる。これが体の効率的な使い方なんだろうかと思うと、大変興味深い。

 そして、体が自然と動いていくものだから、体の動きを考えないでいい分、余裕が出てきて今度は心の方に意識が向く。そうして動きながら、自分の心と体が今どうなっているのか冷静に観察してみたりすると、何だか不思議な気持ちになってきた。

体と心の環境を整える太極拳

ランチの後にはお昼寝タイムも 【スポーツナビDo】

 大内さんのインナー風水太極拳のワークショップは2日間行って初めて成立するものなので、初日に習うことができるのは7分メソッドのうちのだいたい半分くらい。なので、3分半ぐらいの動きを繰り返し学んだわけだが、お昼寝やおやつの時間を挟みながらのアットホームな雰囲気な中、朝10時から夕方5時までの初日のプログラムを終えたころには、結構な運動量をこなしたような心地よい疲労感に包まれていた。

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著者プロフィール

習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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