18歳の堀琴音が得た充実感と悔しさ
連続トップ10という目覚しい実績
「中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン」で8位タイに入り、ベストアマチュアに輝いた堀琴音 【写真は共同】
結果は、序盤からボギーが先行する苦戦を強いられ、通算4アンダーの8位タイ。それでも、2試合続けて最終日最終組を経験し、連続トップ10フィニッシュを飾った実績は目覚ましく、期待は今後もやむことはない。堀も「この順位はすごく自信になります」と口にしたが、本人の真意はわれわれの想像とは異なるところにあった。
プロへの“就活”のために全てを自らジャッジ
この春に高校を卒業した堀は、プロゴルファーとなるため、全部で3次に及ぶプロテストに挑戦中で、プロは個人事業主なので厳密には異なるが“就活中”みたいな大事な時期にいる。そのテストもつい先日2次の2回目(全3回)を終了したばかり。現時点では2次のトップに立っており、いよいよ7月に控える最終テストへ向けて追い込みの時期を迎えている。そのプロテストが、キャディの帯同を認められておらず、その都度ハウスキャディが協会から割り当てられる仕組みになっているのだ。
「(この2試合の)ハウスキャディさんは私よりもぜんぜん詳しいと思うけど、プロテストに向けて自分でやらないといけない。いろいろありましたけど、ここまで回れたことはすごく自信になりました」と、周囲が期待した優勝争い云々とは、まったく別のところから得られた充実感が気持ちの中では大きい。
優勝よりもアンダーパーで回れなかった不満
逆を言えば、現時点でプロツアーの優勝とは別のところに意識を置いていることで、上位争い特有の空気に惑わされることなく、のびのびとプレーだけに集中できているのかもしれない。いずれの2大会とも、優勝がちらついた最終日に「アンダーパー」の目標をクリアできなかったことが示唆深い。
期待されながら、プロ1年目、2年目で足掻いている少なからぬ選手たちを見れば、プロになったらなったで直面する「壁」があることも事実だろう。ともかく、堀がプロツアーの舞台で、自信と経験値を着々と獲得しているのは紛れもない事実。7月の最終プロテストで実を結ぶことに期待したい。
<文・塚田達也>
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